・ 新年度が順調にスタートした「関西大学連携浪速中学校」のクラス編成は関大コースが2クラス、特進コースが2クラスの計4クラス編成である。生徒数は総勢120名で、この4クラスを率いてくれる「4人の担任が今、面白い。」
・ 私はこの4人の先生をどのように呼んだら良いのか今悩んでいる。「四人組」というのがまず浮かぶ。しかし四人組と言う表現は余り良い感じがしない。それは近代中国史において世界を震感せしめた「文化大革命」を主導した江青、張春橋、桃文元、王洪文の4名を指すからだ。
・ 然らば浪速中学の「四天王」と言えるか。それはまだ早かろう。実績はまだ何も無いからである。四天王とは仏教における4人の守護神をいう言葉で日本ではすでに日本書紀の記載があるように古い歴史がある。聖徳太子が大阪の天王寺に四天王を建立したことで有名である。この4人を四天王などトンでもない。
・ 後はミナミにチェーン店が多い「ラーメン四天王」だが、これでは先生方に失礼だろう。味の真髄、肉の旨味を封じ込めた四天王自慢のチャーシューで有名であるがラーメン四天王と呼んだら嫌がられるに違いない。結局私は「中一カルテット」と呼ぶことにした。カルテット、分かりやすく言えば4人組みだが英語の方が格好良い。
・ このカルテットの経歴を少し触れてみたい。カルテットを主宰するのは29歳大阪教育大卒の数学の専任教諭であるY先生である。20代でチーフを務めるのは本校では初めてではないか。学年主任である。関大コースのAクラスを受け持つ新進気鋭のホープであり、将来の教務部長候補だ。あくまで候補に過ぎないのだが。
・ 優秀だが時に特定の保護者とトラブルがある。私はそれは「言葉が不足」するからだと思っている。言葉が少ないのは「無神経」なところがあるからだ。もっと丁寧に気配り、心配りで優しくすれば問題はない筈だ。どういうわけかこういうタイプには数学の先生が多い。どうしてだろうと思う。人間の感情は数学みたいに公式を使って解けるようなものではない。
・ しかしこのA先生、面倒見の良いところもあって今年の中学校の卒業式でも生徒の人気は抜群でご自身も廊下の隅で涙を流されていたのを私は見ている。基本的には素晴しい先生である。とにかく人間の幅を広げて欲しい。
・ 数学の指導力は当然高い。出来る生徒への指導は出来るが今後は遅れている生徒への数学の指導にどれくらい実績を上げてくれるかだろう。心中察するにこのY先生の心配事は二つあるのではないか。
・ 一つ目は今中学2年の関大コースの担任であるI先生の強力なリーダーシップで学力を伸ばしているから、これをまず意識している。そして二つ目は他の歳の差も余りない3人の担任が自分を支えて協力してくれるかと言うことではないか。私はそう見ている。
・ 関大コースBクラスの担任は同志社大学卒の国語のS専任教諭である。1年前に高校の常勤講師で採用したが優秀と言うことで常勤1年の経験だけで、この4月1日中学校勤務の専任教諭として採用した。30歳で既婚者である。従来の浪速のイメージから幾分異なる雰囲気を有していることを私は買ったのである。
・ B先生は面白い。何か「アイデア満載型」で小柄のイメージ通り「こちょこちょ」頑張ってくれている。とにかく明るい性格が良い。又「物怖じ」しないところが不思議だ。そうかと言って偉そうにはしない。後は大きなスケールの先生になれるかどうかだ。お顔も体つきも高校の進路指導部長に大変似ておられる。性格は全然違うが・・・。
・ 家庭があり小さな子どもさんがいるからだろうが、彼の有している責任感を感じる。早く専任になれたのだから頑張らねばならない。人はこのYとS両先生の競争が面白いというがそれは違う。S先生がどこまでY先生を立てるかと言うことではないか。楽しみである。
・ 特進コースのCクラスは常勤講師のM先生で関西大学卒の社会科の先生である。昨年高校で採用し、今度中学へ異動とした。ただ一人の常勤講師の担任先生だ。長身大柄で学年の生徒指導と野球部顧問も務めてくれている。26歳独身。体は大きいが気のお優しい人間だと私は見ている。お顔を良く見るとそれが分かる。
・ 同じく特進Dクラスは東京六大学の雄、あの長島監督の母校立教大学卒である数学のA専任教諭である。常勤講師の期間は2年半と比較的長かったが後述する理由で昨年10月に期中昇格として専任教諭に採用した。26歳で独身、バレーボールの指導者である。
・ 何か「ボヨヨーン」としている感じだが生徒の人気は抜群である。好感度ナンバーワンだろう。生徒は友達みたいに思っているのではないか。日本橋にあるAビルという大きなビルのオーナーの子息である。そのマンションの一室にただで住んでいる。食事は「餃子の王将」で私のご近所さんだから時々道路でばったり出会ったりする。
・ 特進を担当するM先生とA先生は同じ年である。二人とも背の高い男前のイケメン教師であるが、この二人の経歴は面白い。M先生が卒業した高校は沖縄県立首里高校である。言わずと知れた琉球時代の国学時代からすれば200年の歴史を飾る沖縄最古の教育機関であり旧制沖縄一中の超名門校である。難関の進学校であるがM先生昨年の堺市公立教員の採用試験に見事に落ちたのである。
・ 数学のA先生の経歴も面白い。茨城県の水戸市にある水戸短期大学付属高校の卒業である。この高校は「水短(すいたん)」と言って文武両道の高校で有名である。先生はバレーボールの名手として立教大学に進んだ。私は当初この先生が数学の先生とは信じられなかった。時々失礼なことを私は言った。「本当に数学を教えられるのか」と。従来の数学教師のイメージを覆している。
・ しかし世の中面白いではないか。A先生が昨年ある時、「大阪市の公立中学校数学の教員採用に合格しました。これで力をお見せできました。私は浪速が好きで理事長の下で働きたい。」と言ってきたものだから私はその場で「専任に採用」と叫んだのである。一方M先生はもう二度と公立採用試験は受けず「私も浪速一筋です」と言っていた。しかし一方的にそう言われてもなー。
・ 今浪速中学校は進化し続けている。公立中学経験の長い大阪教育大院卒40歳のベテラン社会科教諭をスカウトしすぐ教務部長にした。又 浪速高校から突破力のある39歳のI英語教諭を関大コース長として中学校に鉄砲玉としてぶち込んだ。関大卒だから関大コース長なのである。そして見事に成果を上げつつある。そこに従来からの実力派の大阪教育大卒36歳国語科並びに生徒生活指導科卒並びにアメリカンフットボール卒のN教諭を含めて「浪速中学の3巨頭」と言う。
・ それだけではない。京都外大卒英語科の34歳K教諭が居る。この先生も味わいがあって優秀だ。このK先生の結婚式に私は出席した。奥様は超美人である。又今年4月には保健体育科で「天才」と言われていた神戸大卒30歳のH先生をも又中学に投入した。
・ 又最も若くて溌剌としている24歳立命館大卒数学科のM教諭もいる。加えてそれらの中に「紅二点」である阪大卒K教諭と千葉大卒U教諭がいる。どちらもメチャ優秀である。
・ 以上のように見てみると現在の浪速中学の教員体制には死角がないではないか。「専任平均年齢が30.8歳」ではち切れんばかりのエネルギーを有した集団となった。昨年中学校において様々な理由から3人の専任教諭が舞台から去っていった。しかしそれで結構である。
・ 中学1年生の担任団カルテットが又「新しい風」を巻き起こしてくれると大いに期待している。過日この4人を夕食に招待して「ホルモン焼き」を食べに食べたのであるが、まあよく食べるのに驚いた。遠慮と言うものがこの世代にはない。それで結構だ。
・ しかしそれでも前述した3巨頭には負ける。「鯨飲馬食」というが全くその通りである。さすがの私もこの3人にはびっくりした。しかし私は嬉しかったのである。食の細い人は仕事が出来ないというのが私の統計データが示しているからだ。
・ でも微笑ましい光景があった。チーフのY先生に対して他の3人が「チーフ焼けました。私の分もお食べください」とカルビーを渡していたのである。年の差の余りない担任団であったが「チームワークは出来つつあるな」と思った。
・ それぞれが個性があって日ハムの斉藤祐樹ではないが「何かを持っている」教員ばかりだからY先生も大変だ。浮かび上がらなくなったら大変だし、「影が薄く」なっても可愛そうだから私は3人に言ったのである。「もっと主任を尊敬するように」と。そしたら又今度は焼けた「上ミノ」を「主任、主任」と言って差し出していたのである。