・ 統一地方選の前半戦の結果が出た。注目の橋下知事率いる「大阪維新の会」は大躍進であった。大阪府議会は過半数を制し、大阪,堺市会は第1党である。これで知事の唱える「都構想実現に一歩」近づいたことになる。
・ 「それにしても強い」。今朝の新聞各紙は東京都の石原知事4選や民主党の敗退などの記事を追いやり「全国版」に橋下旋風に関する記事で満載である。対峙して来た大阪市の平松市長のコメントはどの新聞も同じで「強さに驚き」というものであった。
・ 明るい笑顔の知事と幾分顔は引きつってはいたが「平松スマイル」の市長の顔写真を対比させて載せていたが、私は市長の気持ちは分かるような気がする。大震災後大阪都構想は幾分後退感があったことも事実でそれを感じていた平松市長も橋下知事も今回の結果に驚いているのではないか。
・ 堺の市長はどの新聞からも無視されてコメントなどどこにもなかったが、この人は驚きを超えて「震え上がって」いるに違いない。恐らく当面は「引き篭もり」になるのではないか。だってあれほど知事にお世話になったにも関らず反旗を翻したからである。
・ どうせ再選はないのだから今後は好きなようにすれば良いと思う。さて問題は大阪市長選だ。今のままだったら平松さんが出ても勝てっこない。彼が今後どのように知事と向き合うか大変興味ある展開となってきた。
・ 私は今回の大阪地方選で個人的に5名の候補者を応援した。教育関係者であるから表立っては応援できないがそれでも「長い個人的な付き合い」があって応援したのである。府会で3名、市会で2名の先生方であった。
・ 幸い5名とも当選してくれてそれはそれで良かったのだが市会の一名は5回目の選挙で政党の有力者であるが、なんと定数5番目での当選で「あわや」という結果であった。維新の会から「落下傘」みたいに舞い降りたその区とは縁も所縁もない維新の会の候補が上位当選しているのである。
・ 新聞には橋下チルドレンと書かれ、一挙に48人もの新人議員だ。元モデルとか現役大学生とか知事のお友達とか幾分揶揄して記事になっているが、選挙の結果は候補者の資質などよりは知事の率いる維新の会が票を集めたということである。これも最近の傾向である。
・ 言ってみれば当選者は「員数」であって、その人の公約などどうでも良いわけで「誰がトップか」だけが問題なのである。だから今回も橋下徹という男がトップリーダーの大阪維新の会が勝ったのである。この現象は郵政改革の時の小泉純一郎首相時の国政選挙の時と構図は同じなのである。
・ それにしても「既成政党は惨敗」で、中でも民主党はもはや中央政党とは言いがたい選挙結果である。これで菅直人首相の引き擦り落としの動きが再燃してくるだろう。今ここで「宰相菅直人論」を書けば何十ページも必要とするが一言で言えばこの人の発する言葉からは「未来が見えて来ない」からだと思う。
・ 自己の保身、政争に気を使う余り、国民にトップリーダーとしてのビジョンとそれを実現していく行政の組織化がこれほど下手な人とは思わなかった。ここに管総理の最大の問題がある。恐らく「市民活動家から出発した人間の宿命的な特性要因」で最後まで「人を信じず、自分の手でやろうとする」ことの限界だと私は思っている。
・ その点を石原知事や橋下知事と比べたら大変良く分かるのである。東京の石原知事や橋下知事は「発信力の強い人間」であるが何かを都民、府民に期待させるものがあった。具体的には彼らの発する言葉である。
・ 彼らは大きな幹、背骨を明確に打ち出すことが出来る人間である。時に舌下事件もあるがそのようなことはどうでも良い話だ。大切なことは「彼らの言葉を聞いて人々が元気になれるか」どうかだろう。「言葉が人を動かす」のである。
・ この点がこれらの知事の真骨頂であり最も素晴らしい面ではないか。細かい枝葉の部分はあとから付いてくると思っているのである。こういう人間に対して平松市長や堺市の竹山市長などの頭脳からは「聴く人をのけぞらせる言葉」は出て来ない。
・ すなわち背骨が発信されて出て来ないタイプである。元々「打ち出さないタイプ」であり、出てきた行政問題を「片付けていく清掃人」なのである。少なくとも「棍棒」を持って「こうする!」と明言できる人々ではない。
・ 教育関係で言えば、今回の選挙結果に私は安堵している。もしここで橋下旋風が水をぶっ掛けられたような選挙結果になっていたら私立高校授業料無償化施策の手直しなどが議論されると心配したからである。彼が居なかったらこの前代未聞の施策は陽の目をみることはなかった。行政マンから出てくる発想ではないからだ。
・ 国民や府民は結局「危ういところは感じながら」も今抱える「閉塞感」を打ち破ってくれる「強いリーダー」を求めているのである。このように考えれば今回の維新の会の躍進も理解できる。
・ 私も世帯は小さいが「強いリーダー」でありたい。今の浪速には柔弱なリーダーではやってはいけない。ビジョンを示し、力強く引っ張っていくリーダーが必要である。私は今までもそのようにしたし、今後とも強い、それでいて時々優しいリーダーを示して行きたいと今朝の新聞を読んで今更ながら感じたのである。
・ 次に橋下知事はどう出てくるか?夕刊報道によれば早速、知事は「しばらく白紙で休戦」を宣言している。こういうところが「したたか」である。自民党や市長がどう出てくるか様子を見ようとしているのであろう。
・ これを迎え撃つというより「つくづく強さに驚いた」とだけしか言わない平松市長はどうするのか。少なくとも民主党推薦で市長になった人だから「進退については覚悟は出来ている」のではないだろうか。
・ 私は想像する。お人柄は良くそれでいて「男っぽい」ところも感じる市長さんだから次回の市長選には出馬しないと心に決めたのではないだろか。今朝の結果を見てそのように思われても不思議ではない。
・ さて次の教育改革のテーマは間違いなく「義務教育の枠組みの再構築」だろう。ここに手をつけないと駄目である。これこそ「府市再編の大きなテーマ」である。しかしこれは文部科学省に立ち向かっていく根性が必要で出来るところからやるにしても相当大きな力が要る。橋下知事しか出来ない相談だ。
・ 大阪の高校教育界は今年から実質的に私立も公立もなくなった。授業料がただになったから私学専願が大幅に増えた。今度は「義務教育改革」である。
