2011年1月21日金曜日

23年1月21日(金)府下私立高校志願状況発表

・ 昨日の夕方の報道番組テレビでキャスターが「府立進学重点校の倍率や私立高校専願率の新記録」など簡単に触れる場面があったから「あァ、明日の新聞に大々的に出るな」と思った。毎年のことであるが今年は「私立高校授業料無償化拡大」の影響でどのような「勢力地図」になるのか興味関心を持たないとその人は学校法人、校長、教職員、学校関係者ではあるまい。
                           

・ そう、勢力地図という表現が橋下知事にふさわしい。知事の言葉「公立、私立同一土俵での生徒獲得競争」で多く集めた学校にパーヘッドで生徒一人当たり28万円の補助金を頂けるのだから関心を持たないほうがおかしいのである。私はこれらのデータを眺め、考えるのが大好きである。今日一日これだけで過ごすくらいである。

・ しかし年を取って小さい字が見えにくくなってきた。それに今年になって取り替えた眼鏡がどうもしっくり来ない。従って小さい字を見るときは老眼鏡の小さなものを付け足して数値を追うのである。この数値を見るには絶対に「大阪日日新聞」に限る。この新聞でなければならない。他紙は扱いが小さくて、必然的に数値が小さく見えにくいし「余白に書き込めない」のである。とにかく大阪日日が良い。2面も使ってだから、自分で電卓を使って数値を書き込めるのである。

・ 当然この日は入試広報室も動いており、朝会までに府内すべての学校の一覧表が8時40分には完成していた。出来てなかったら「大目玉」である。当たり前である。専願数、併願志願者数など上位から順番に表にしてくれているから分かり易い。入試広報はこうでなくてはならない。能天気にただ新聞を眺めているだけだったら入試広報室からバイバイした方が良いだろう。
・ 発表は府内公立中学校校長会が行うものである。1月17日集計の第2回目の集計数値だから新聞報道の数値はまだまだ変化する。本校も新聞の数値は専願数値で355名となっているが今朝現在の数値は390名と増えてきている。又今日の記事には他府県からの数値は入っていない。
・ 本校の場合他府県からはほとんど無いが学校の中にはこの数値が重要という学校は結構多い。具体的には北に位置する学校で京都や兵庫県から、又市内中心部の学校は多くは奈良県からである。

・ 大阪の私立高校は橋下知事のお陰で授業料無償化拡大となったがそれは府内の生徒に限られており他府県は対象外である。従って「席の隣の生徒は奈良から通っているから60万円の授業料を払っているが、私はただ!」という想定の光景が志願状況にどのような影響を与えるのかという素朴な疑問を個人的に有していたのである。

・ 朝一番に親しくしている北部に位置している某私立高校の校長先生に様子を聞く限りでは「余り影響したという状況にはない」ということで専願数値が大幅に伸びておられた。上町台地中心部の私立高校数校は奈良から大挙して受け入れている学校であるが、どうなんだろうと思ってしまう。「どうですか」などと聞けないし、聞かなくとも来週になればすべて直ぐ分かる。

・ 橋下改革で「私立高校に何が起きつつあるか」は今回ではっきりした。「私立高校専願比率が過去10年で最大の数値」となったことである。専願が増えるだろうことは当然予想されたことであったが、今朝それが具体的に「数値になって表に現れた」ということである。

・ 今春府内の公立中学校を卒業する者のうち府内の私立高校を「専願で希望する者の比率が22.29%」となり前年同時期の18.98%に比べ3.31ポイント上昇したのである。前述したように、これは過去10年で新記録の数値であるが、ここでじっくり考えねばならない。

・ 年収610万円まで完全無償化にし、更に800万円となっても年間10万円の授業料にしたのに、たかが3.31%しか増えなかったのである。府内私立高校の全日制希望する生徒は62000人、このうち16000人が専願人数である。昨年度が12300人だったから「3700人の増」である。これを多いと見るか、少ないとみるかが問題なのである。

・ 面白いのは他府県に出て行く生徒数は昨年とほぼ同じで3500人というから、如何に受験というのは保守性が強いかと思わざるを得ない。これらの人々は授業料無償化など関係ないご家庭なのである。

・ 戻って、専願者の増の3700人を府内私立高校95校で割ると一校あたり39名となるからどの私立校も一クラス専願増だとなればすべての私立がハッピーなのだが実態はどうもそのようになっていないから大変なのである。

・ 例えば本校では内部進学を除く専願者数は昨年同時期で298名であったが今年が現時点で390名となっているので「92名の増」である。他の私立2校分を取っている形になっている。そのように数値を見ているとすごいことになっているのが分かる。

・ 共学に踏み切った上宮さんはなんと293名の増、順不同で大阪学芸さんが139名の増、桃山学院さんが89名、阪南大学さんが248名、常翔学園さんが85名、興国さんが107名などである。特に興国さんは専願絶対数値が604名でダントツである。専願で定員を大幅にオーバーしているすごい学校である。その他専願数値そのものが300名を超えている学校には大阪電通大付属、堺女子、星翔、大阪学院大付属、近大付属、清明学院、大阪樟蔭女子さんなどがいる。専願数値トップは興国さんの604名、本校は355名で95校中10番目につけている。
・ 他府県が入っていないからそれを考慮しても、中には専願が増えるどころか大幅に減少している学校が多く見られる。悲惨としか言いようも無い学校が今年は目立つ。このように見ていくと今回の施策で「府内私立高校は明確に2グループに分かれつつある」ことが見えて来た。完全に「2極化」である。

・ 加えてもう一つ忘れてはならない数値が「併願数値」である。当然ながら専願数値が伸びた分併願数は減少している。「減少した併願数値がどの学校に流れているのか」という視点が重要である。併願人気校というのは「まだ公立優先だが不合格なら行きたいという学校」であるから人気のバロメーターであり、専願校に成長するために通らざるを得ない道なのである。

・ 府内トップは大阪学芸さんで1880名、次いで本校が1872名、次いで順に桃山学院さんの1647名、大産大付属1548名、阪南大学付属さんが1440名、常翔学園さんが1393名、関西大倉さんが1347名、大商大堺さんが1319名、四条畷学園さんが1206名となって以下は1000人を切っている。

・ しかし併願数値が大きいと言っても「戻り率」は極めて小さいというのが我々の見方である。しかし戻りが少ないと言っても母体が大きい方が良いわけであるから併願数値は多いほうが良いに決まっている。併願戻り率を5%として仮に置くと本校でいえば1872X0.05=94名だからそのように計算したら専願+内部進学+併願戻り=549名となる。悪くはない数値であるが、まだ「捕らぬ狸の皮算用」となる可能性はあり最後の蓋を空けるまでは分からない。

・ それにしても不謹慎だが競馬流に言えば大阪学芸さんと浪速はまさに「熾烈な戦い」にあるといえる。デッドヒートとはこういうのを言う。ここ数年この数値が勝ったり負けたりでそれもその差が「鼻の差」というか僅差でこのようなことが世の中にあるのかという感じである。お互い大学の付属ではなくて良くやっていると思う。学芸さんと詳細比較してみよう。専願数値で言えば本校は内部進学生が355名、ただ内部進学生が本校にはいるから、これを加えれば455名、学芸さんが401名、併願数値で言えば学芸さんが1880名、本校が1872名となりまさにガチンコ勝負である。

・ 電車で一駅、二駅にある近隣の学校という前提で、本校の競合する学校がはっきりしてきた。「浪速などライバルではない」とお叱りを受けそうだが敢えて勝手にお名前を出せば、大阪南部地域では前述の大阪学芸高校さんや桃山学院さんと拮抗する関係にある。これらの学校に胸を貸して貰って頑張らねばならない。目標にする学校があることは幸せである。総合力の高い伝統校桃山学院高校や大阪学芸高校は強い。

・ 誤解のないように強調しておかねばなるまいが、生徒の多い学校が良い学校とは限らない。敢えて生徒数を絞り適切な規模で極めて質の良い教育を提供している私立高校は多いのである。我々はこれらの学校を勉強しながら一つ一つ階段を上っていかねばならない。

・ 私は大阪天満宮の宮司(名誉理事長)や道明寺天満宮の宮司(理事長職務代理)に電話をして「新校舎建設」を急ぐ相談をした。先行する学校に比べて校舎が古い。もう1年待つか、もう「ゴー!」のトリガーを引くか、悩んでいるのである。あのように機能的で美しい校舎の浪速で学びたいと本校に志願者が殺到するような新校舎を何時作るかと今焦点を定めつつあるのである。

・ しかし不遜なようだがすべて私の体力と気力にかかっていると思っている。名誉理事長も理事長職務代理も私より年長者である。ここでもし私が倒れたら莫大な負債を抱え込んでこの学校は大変なことになろうことを心配している。何時までも今のように生徒が来てくれる学校とは限らないからである。急激に立ち上がった学校は又急激に崩壊する危険性も有している。そうならないように今、私は教職員を鍛えに鍛えているのであるが、「親の心、子知らず」と言う局面はまだまだ多い。

2011年1月20日木曜日

23年1月20日(金)英語検定トーフルに5億円

橋下知事が満面笑みを浮かべ、「やるぞ!」というような雰囲気でテレビにてお話されていたが、知事の進める教育改革2012年の目玉として英語能力検定試験により総額5億円もの補助金を支給するというものである。
・ 大阪維新の会で地方選を戦う準備に関してしゃべっているより教育に関して話している知事のお顔つきは自信に満ち溢れているが、よくよく考えて発信しないと知事の「前傾姿勢」を私は心配している。前のめりになって倒れなければ良いがなーと思うのである。応援しているだけに尚更である。

・ 公私間で競争を促すために英語検定試験のTOEFL(トーフル)を実施し成績優秀だったトップ50校に計5億円の予算を配分するというが予算ではなくて「賞金」みたいな気がする。

・ マカオが大好きで公営ギャンブル場を誘致したいと思っている知事であるが遂に学校にも懸賞金稼ぎみたいな制度を持ってくるという。1校平均で1000万円だから馬鹿にならない数値である。

・ 記事によれば私立高校96校、府立高校138校すべてが対象というが、まずここに疑問がある。授業料無償拡大推進校が前提条件ではないのか。そうしないと理屈はおかしくなる。自己負担がいやだから言って推進校から離れた1校は相当英語力のある学校と見ているがそれも含めるのかと、言いたい気分にもなってくる。その理由は後述する。

・ 各校から英語が得意の生徒50人から100人程度を選抜し、受験させてその平均点を取るというが学年はどうなるのか。学校全体か各学年単位なのかどうか記事では分からなかった。又厳しい学校では50人も集められないところもあろう。しかしこのような学校でも英語能力の高い生徒はいるもので「私の学校には50人いなから私は参加できない」となったら可哀想である。

・ 更に50校を上位、中位、下位に分類して上位グループほど予算配分を多くするといわれるが個人ではTOEFLで高い点をとっても学校の平均点が低く、自分の学校は下位の学校だから多く貰えないという不満が出てこないか。

・ 大体トーフルは海外留学のための語学力を測るテストでこの成績だけで学校を評価するのは難しいと府教委はコメントしているが、その通りである。それに府内の公立私立高校の英語科教員でトーフルの経験はあるのか。誰が指導するのか。自分がやったこともない検定試験を生徒に教えることが出来るのか。「先生は何点取ったの?」と聞かれたらどうするのだろう?とついつい思ってしまう。学校評価はあっても良いが学校は生徒個人の集まりであり、生徒個人のことも考えて欲しい。

・ 知事の思考の背景が見えてくるのだが、先にも韓国におけるリーダー養成の学校視察をした知事の頭の中には「国際社会で活躍するリーダーを育てるために受験の為に現在の英語をなんとかしなくてはならない」と「使える英語」の重要性で満杯なのではないか。その意見そのものには賛成であるがその思いと今回の突然の制度方針に少しギャップを感じる。

・ 私は今の日本で必要な教育は圧倒的多数の高校生に地に着いた勤労観なり、公共精神、愛国心、一隅を照らす立派な社会人になるための基礎教育が重要なのであり、その点が日本の教育に欠けていたのだと思っている。リーダー養成高校は戦後60年やってきたことではないのか。今知事が優先的に考えなければならないのは「キャリア教育」の革新とレベルアップであると私は考える。

・ リーダー教育もリーダーの素質とは英語がしゃべるだけではなかろう。別に英語が出来なくとも世界に伍してのリーダーは存在出来る。それは全人間力と、それこそ日本の歴史、世界の歴史に精通した正しい歴史観を有した人材である。

・ リーダーは多くは必要はない。20%くらいも居れば良いのではないか。日本の悲劇は特に政治家に多いのだが誰もが自分はリーダーと思い、政治家同士、政党同士がガチンコばっかりで結局リーダーは存在しなかった。ここまで来られたのは何とか「民のリーダー力」でここまでやってきたのである。



・ トーフルは海外留学する生徒の為に開発された検定であり、その受験費用も極めて高いと聞く。インターネット受験でも200ドル程度はするのではないか。又リーダーになるような生徒はまず100%大学進学する。ところが大学の推薦やAO入試の条件として求められているのは大体「TOEIC」であり、大学受験にはトーイックが必要なのである。そこへ府の方針は留学用のトーフルだから高等学校には混乱が予想される。

・ 私はどちらかというとTOEIC派である。ほとんどの企業は社員にTOEICを優先させており社会ではビジネスコミニュケーション能力が問われるのである。トーフルでもトーイックでも英語の勉強にはなるがこのようにシステムとして制度化されると生徒個人や学校を股割き状態にしないか。まず社会人として自立することが教育の一つの目標とするならば社会で使える英語が重要である。どれくらいの生徒が留学を前提としたトーフルの必要性があるというのか。

・ まず公的な教育施策としては「英語能力向上事業」を各学校に企画させその審査によって支援金を配布するやり方のほうがソフトランディングではないか。本校では全生徒に英検を義務付け、又TOEICを一部のクラスで義務付けてやってきたが、受験費用の半分が学校法人負担としている。又「大学の教授に定期的に指導会」をして貰って教員の質も高めている努力をしている。徐々に徐々に成果は上がってきているが先は遠い。このような努力をしている学校に補助金を回して欲しい。本校は中学内申が10ばかりの生徒を集めている学校ではない。

・ 確かに私立高校の授業料無償化の拡大によって知事の言われるように「同一土俵に乗った」ことは間違いないが各学校での生徒の質はまるっきり違うのであって、いわゆる「指導困難校」の学校がいくら逆立ちしたってトーフル優秀校にはなれない可能性は高い。その学校の生徒や保護者は報道を聞かされるたびに切ない思いをするだろう。

・ 「WANTED」みたいに懸賞金を鼻の頭にぶら下げて射幸心をくすぐるような施策は教育施策とは言えない。「教育施策とは秘められた形が望ましい」。5億円もあるなら5億円を233校に配分して欲しい。1校あたり370万円になり本校で言えば生徒一人当たり2500円となって英検、トーフル、トーイックと生徒の進路に合わせて効果的に使える。

・ ある私立高校の法人幹部は「英語だけを重視するのではなくて進学率やスポーツ成績も評価して欲しい」と述べたとの記事にあるがこのようなコメントだから駄目なのである。進学率やスポーツ成績は評価すると既に私学課は公式に何回も発表しているではないか。

・ コメントするならもう少しまともなことを言わないから陰で私立高校が嘲笑されるのである。先にも同じような「私学の教育力が低下する」とかのコメント出した私学の校長がいたが私はこういうのを見ると恥ずかしい。

・ 私立高校の関係者の中には論理構成の極めて立派な教育者がおられるが最近の私立高校関係者の発言は少し雑であることが目立つ。それは間違いなく橋下改革で進む教育施策そのものが雑になってきていることが影響していないか。私はそのように思えてならないのである。

・ そのうち府民から府予算の監査請求がなされないとも限らない。善良なる納税者は定められた税金を支払っているにも係らず自分の子弟が通う学校とトーフル優秀校に支払われる1000万円の税金の使い道に納得いかないと言うのである。国政選挙の一票の格差問題と似た構図なのである。余りにも極端はいけない。教育施策は「坂の上の雲」でなければならないのではないか。

・ 大体「英語会話能力は専門的な技術」である。これが教育か?という根本的な疑問もあろう。英語を専門的に特技として保有しなければならない職業とその数から検証してみると大阪府でトーフル検定試験に報道のような形で5億円使うのは妥当であるのか。

・ 素晴らしい記事に出会った。1月19日の毎日新聞であるが投稿者はあの有名な元外務省ノンキャリア官僚の佐藤勝さんである。「日本外交が試練を迎えています、外務官僚は語学を磨け」というタイトルであった。詳述はしないがこの記事から英語という言語を日本人が学ぶ意味合いが見えてくるのである。

・ 私は総論は賛成である。しかし各論については意見がある。どうかこれからの制度設計に抜かりの無いようにお願い致したい。ここは府教委・私学課の指導系の幹部が頑張らないといけない。配慮ある制度設計を是非お願いしたいものだ。

・ 決まった以上はそれに従う。本校の英語科の教員はあの新聞記事でいささか当惑しており、校長がどう動くかと顔色を伺いながら、新聞記事の内容、自分たちが今まで進めてきた英語教育の道と今後をどのように整合性を取っていこうかと苦慮しているのが私には良く分かるのである。

2011年1月19日水曜日

23年1月19日(木)このような教員は即刻退場すべし


・ 「小学校教諭 保護者を提訴」「再三の苦情で不眠」との見出しである。驚くような話だ。学校の先生が保護者を訴訟するという。逆ではないか。酷い時代となったものだ。まず1月18日の朝日の夕刊が第一報を報じ、翌朝には各紙が結構大きい扱いで記事にしていた。テレビの報道番組も今朝になってもこの事案について報道していたから、この問題は今後も尾を引くのか、このまま静かになるのか先行きは見えないが「学校の教師というものを考える」上で、重要な問題を提起していると受け止め「校長の視点・論点の格好のテーマ」と考え言及したい。

・ 話は埼玉県の市立小学校の女性教諭が再三にわたって保護者からクレームを受けて不眠症に陥ったとして担任するクラスの女児児童の両親を提訴したというものである。何と慰謝料500万円を求め埼玉地裁熊谷支部で係争中だというのである。提訴したのは昨年の9月、事件の発端は4月にクラス担任になり6月に事件があったという。
 ・ この女児と他の児童とのいさかいを仲裁した際、この児童の母親から「相手が悪いのにうちの娘に謝らせようとした」とクレームを付けられたことから事件は拡大していった。ニッチもサッチモ行かなくなって7月には家庭との連絡帳に保護者から「先生が自分の感情で不公平なことをして子どもを傷つけています」と8回書き込まれたという。

・ 当然保護者は市の教育委員会やこれは笑ってしまうが文科省に口頭や文書で訴えたり、女児の背中に触れただけで警察に暴行容疑で訴えったという。保護者の怒りの程度が良く分かる。ここまで事態が来てしまうと解決には容易ではないがまだ解決できる話である。3ヶ月ですぐ訴訟はないだろう。

・ 大体保護者はすぐ教育委員会に行くものである。最近は児童でも「教育委員会に言い付けてやる」と簡単に言う時代である。何処へでも行かせばよいではないか。黙ってみておれば良いのだ。中には教育委員会は言うに及ばず、国の公的機関や、又ブラックジャーナリストや週刊誌に一方的に情報提供して学校や校長、教諭を「やっつけてやろう」となるものもある。
・ 一般的に言って保護者とは自分の子どもには「絶対愛」であり、時に客観性を失うものである。親とはそういうものではないのか。子どもを守るのは自分しかいないと思い込んでいるのである。そうでなければどこかいくらか性癖の部分があるのかかも知れない。この保護者のことを言っているのではないが。

・ 6月に事件があって、そして9月に提訴だから新幹線みたいに早い話である。余りにも訴訟までが短い。保護者からの訴訟ならまだ理解できる部分はあるが、それが教諭の訴えというから、これはおかしいと感じるのは、国民の一般的な感情だと思うが・・・?。この間1ヶ月間の夏休みもある。話し合う時間はたっぷりあったはずである。ところが教員は話し合いに応じなかったと記事にはある。管理職は一体何をしていたのか。
・大体何時も教員サイドの論調である朝日新聞がいくらか教員に批判的な内容になっていると私は感じた。この教諭は一連の保護者の行為で不眠症に陥り教員生活の継続に重大な支障を生じさせられたと主張し、500万円要求し、辞めるどころか未だに教員を続け担任も継続中だという。信じられない話である。即刻教壇から退場し、その後に訴訟に専念すべきだろう。
・ この辺にも民主党の小沢元代表の問題が社会に影響してきているのかと思ってしまう。強制起訴されても政治家は辞めないというから構図は同じである。裁判所で訴訟中の教師が片方で教員を続けられるのか。教師の仕事とはそういうものではなかろう。
・ 不眠症だというが今日の人間は大なり小なりこのようないさかいや争いの中で生きており、私もストレスの中で生きている。様々な教師を抱え1990人の生徒を抱え、その保護者も同数おられるのである。幸い私は不眠症とはならず過眠症である。しかし不眠症になったからと言って自分の生徒の親を訴えるか。睡眠薬を飲むか、酒でも飲んで大声で「あの保護者の馬鹿野郎」とでも叫んでストレスを解消することは出来なかったのか。
・確かに警察に訴えるとかして、この保護者も少しやり過ぎと思わないでもないがそれでも訴訟に持って行ってはならない。正しいかどうかは別として根本原因は自分が作ったのだろう?学校というのは最も訴訟とかから遠い存在でなければならない。私も昔痛い思いをしたことがあるが、訴訟に出ることはしなかった。我慢したのである。成長過程で多感な生徒の学ぶ学校のことを考慮した。沈黙したのである。生徒のこのことをまず第一に判断しなければならないと私は思う。

・ この学校の校長も責任を取って即刻辞職すべきである。文書で市教委に対して「モンスターペアレンツに学校や教師が負けないように教諭が代表して訴訟をしていると受け止めている」と出しているからこの校長も全くどうしようもない。学校がぐるになって煽っている構図である。校長は体を張ってこのような事態を阻止しなければならないというのが私の考えである。まあこの学校の校長がどのような経歴で校長になった人か私には容易に想像できる。
・大体マスコミが遣うモンスターペアレンツなどの言葉を公立学校の管理職が公文書で使う言葉ではなかろうに。モンスターペアレンツならスチューピッドティーチャーと言われるぞ。 市教委もこれは全国どこの市教委でも同じだと思うが「訴訟中なので何も答えられない」と紋切り型のコメントである。保護者もこの点は分からないといけない。教育委員会にいくら言っても学校で起きた問題は学校でしか解決は出来ないのである。
・ 学校が保護者をモンスターと言ってはならない。たとえ心で思っていても口に出してはならない。私学で保護者に対してモンスターと言ったらそれで「学校もその教師もお仕舞い」である。本校にはそのような教員はいない。恐らく私立学校の教員にはそのようなアホな教員はいない。直接お金を払ってくれている保護者でありそのお金で飯を食っているのである。この点では公立の教員も同じなのであるがなー。
・ 両親は「学校は実態を調べないで自分たちをモンスターに仕立て上げた」と朝日新聞の記者に話しているとの事だがその通りであろう。「人身御供」になったきらいがある。該当する教諭はまったく取材に応じず、教頭が「教諭と保護者のそれぞれの人権を尊重しているのでコメント出来ない」と最も一部の教員が得意になって使う金科玉条たる人権という言葉を持ち出してきている。

・ しかしひどい話である。両親は市教委に文書を出したのは「教諭が話し合いに応じなく娘を守るための正当な行為」と主張し、訴えを退けるように求めているらしいが、今後当該の女児児童も辛いし、その保護者もご近所から陰口の一つも聞かれる辛い立場になった。しかし私は断言する。これで大きく傷ついたのは教諭の方である。
・ 自分の問題解決能力のなさと人間としての未熟さを世間に恥をさらしたようなものである。しかしこの教諭は1991年に教員になったというから20年のベテランですぞ。経験不足の教諭とは全く言えない。これでは子どものけんかに親が出てきたと一緒である。恐らくこの教員は保護者よりも年を食っているのではないか。何ゆえ大人の対応が出来なかったのかと思うのである。だから私は背景に何かあるのではないかと想像するのだ。
・ 「やっとられないわ、訴えて世の保護者に警告を鳴らしてやる」と思ったかどうか知らないが、前述したようにこの学校の校長が「モンスターに負けないように教員の代表で訴訟している云々」と述べているように佐倉惣五郎のように振舞っているとしたら間違っている。惣五郎は訴えたが結局刑死した。(佐倉惣五郎の話、知っていないと思うがね。)惣五郎は死して後、偉人になったがこの教員は他の教員から拍手喝采を得るような偉人とはならないだろう。

・ 日本女子大の坂田教授は「児童本人のことを考えれば訴訟は避けるべき」と延べ、更に「芽が小さいうちにトラブルに気づくこと」と言われている。至極もっともで誰が考えてもこのように思うのではないか。これが普通の常識ある対応である。

・ 教頭の言にあるように「教員の人権・・・」とか言うが基本的に教職にある身にとって人権などあるのかという私の知人がいる。地震で倒壊し、火に取り囲まれた教室から自分だけ先に逃げて生徒を救いに行かない教師など教師ではない。あくまで教師とは生徒を守るものではないのか。今回の事件もこの様相に似ていないか。訴訟に逃げたのである。この生徒も相手の生徒もそれらの両親もおじいちゃんやおばあちゃんもその親戚もこれから辛い思いをするだろう。このようにして生徒は不登校などになっていく。まず自分の人権を言う前に子どものことを考えろと言いたい。
・ ところが不可思議なのは教員ほど「人権、人権」と叫ぶ職業人はいないのである。民間企業に勤めているサラリーマンなどから人権などの言葉は使うことはないし私も長いサラリーマン時代で聞いたことはない。製造業の会社が得意先のクレームに対して訴訟するようなものである。この教諭は教師の資格などない。即刻辞職したらどうか。そして人権派の活動家として生きていくことを勧めたい。

・ 教師とは大体弱い、脆いものである。生徒には言えても外圧には弱い。社会の荒波から学校という塀の中で閉じ込められて生きている人々である。そこへ持ってきて高給が保証され身分も安定し社会から「先生、先生」と尊敬を受ける人々である。このような職業は今の時代、学校の教員以外にはなかろう。
・ ここが最も陥りやすいこの職業人にとっての鬼門である。良いフォローの時と真正面に立っている時には強いが横腹を刺されると一挙に壊れてしまう職業人だと校長8年間の経験で分かった。だから教員に心の病が多いのはそのようなことなのである。
・ 私の母などは徹底して「学校の先生は立派なお人」という意識を死ぬまで持ち続けてきた人であった。小学校で私がやんちゃをして学校に呼び出されたら先生の前で平身低頭して謝り、僕の頭を拳固で殴るような人であった。しかし時代はまったく変わった。教師を見る目が変わったのである。それは一面では教師側の責任もあるのではないか。
・ 唯我独尊、お念仏みたいに権力権利に対峙し、国旗国歌反対、勤務評価反対、教員免許更新制度反対、給与削減反対、生徒の自主性尊重などと言って教えることを回避し、何でも反対といっている間に日本の教育力は一体世界に比べてどうなったのか。そこに教師側の責任はないのか。

・ 教師はもっと「耐え忍ぶ」ということを勉強し身に付けなければならない。人間の余裕みたいなものを身に付けなければならない。息の抜きい方、ストレスの発散方法など人間の幅を広げていかないといけない。「一杯、一杯」では生徒に教える行為などできるはずがない。人間の幅が極めて狭いからこのように直ぐ3ヶ月程度で訴訟などに出る行為をする。自分を守っているのだろうがそれは守っていることにはなっていない。自滅への道である。
・ 自分の生徒とその保護者は絶対であると覚悟せよ。クレームもあるがその対応も高い給料の内と心得よ。何年か経ったら卒業して消えていなくなる。自分に厳しい保護者もいれば自分の味方の保護者もいる筈である。
・ 世の中に畏怖し尊敬するものがないから教員は誇りを通りこして傲岸不遜、うぬぼれ人間になり、しこうして勉強しない。謙虚でないのである。だから教員の常識が時に社会の非常識だということに気が付かない。分かってきても「学校のことを知らない人」の言葉に耳を貸そうとはしないのである。

・ 現在本校にも保護者といさかいを有している教員がいないわけではないが、こじれそうな場合、私はすぐにお相手するのはベテラン教諭と教頭に格上げするのである。特に管理職にはきつく厳命している。保護者との問題は管理職がまず前面に直ぐ出よと。 ところが時に公立の教頭や校長は前面に出ようとしない性向がある。権威なのであろうが、とんでもない話で保護者のクレーム対応が管理職の仕事である。最後にやおら偉そうに出てきてもそのときは既に「手遅れ」なのである。
・ 私は本校の教諭が保護者を訴えるような事態は許さないし、それまでに解決する。大体手を打つのが遅れた場合に話がこじれものだ。「すぐ手を打つ」ことと最後は校長が前面に出て「心から謝罪し、生徒のためになるような対応をすぐ行う」こととしている。教員が良いとか悪いとかは後で良い。まず肝心の子どもの気持ちになって対応することが重要である。

・ しかし得てして若い教員に保護者とのトラブルは多い。それは人生経験の不足と言葉が足りないことが多い。要は「ボキャブラリーの不足」であり、「直裁的な、ものの言い方」をするから保護者は頭に来るのである。不用心なたったの一言で話がこじれるのである。
・ 又ベテランの教諭で保護者とのクレームが多い教員を観察すると大体共通の性癖が見つかる。これは極めて人間の幅が狭い未熟な育ち方をしている。相手の言っていることが理解できないのと何が本質の問題か分かっていないのである。こうなるとこの教員は教師の質そのものの疑いが出てくる。 保護者対応の上手い先生を見ていると黙って相手の言っていることを聞いている。とにかく聞いている。これが立派である。

私を知っている皆さんは校長は人の言うことを聞かないのではないかと思われているかも知れないが、ところがどっこい私は特に保護者の言うことは良く聞き、事実確認の10分後には対応策を指示している。電光石火とは私の為にある言葉なのである。電光石火がこの種の解決策として最も特効薬なのである。


2011年1月18日火曜日

23年1月18日(火)この母に学べー孟母米遷

中学入試は20日の二次試験があるとはいえ、粗方終わったといえる。結果は十二に満足している。特に受験の平均点が驚くほど上がっており、今朝の朝会でもどのように授業を展開していくかが話題になった。完全に「少人数習熟度別展開」を考えていく。そのために教員も増強をしていき、徹底的に鍛えていく積りである。

・ センター試験については最終結果は20日以降に出揃うと思うが高校3年生のM君は自己採点で900点満点得点率が85%であり、頑張ってくれた。現時点では第一志望は京都大学である。私はこの結果にも満足している。M君は数学が得意で多聞尚学館でも常にトップの成績を修めていた。具体的な「多聞尚学館効果」である。

・ さて問題の高校受験であるがこれはまだ今週一杯出入りがある。受験生は志望先を最終的に決めなければならないタイムリミットが近づいているのである。大阪府の特別施策「私立高校授業料無償化拡大」によってどのような受験地図になるのかさっぱり分からないが現象的には私立優位となってきている感じがする。

・ 「公立私立同一土俵での生徒獲得勝負」という橋下知事の狙いは果たしてどのような結果を示すのであろうか。「私立高校の授業料がただだったら私立にするわ」となれば私立高校には追い風となる。理屈上はこうならなければならない筈である。

・ それは具体的に「専願比率の向上」という形で現れるはずであるがふたを開けてみて初めて分かる話である。それもトップ校といわゆる偏差値下位校でどのような傾向を示すのか、中間のボリュームゾーンにある学校はどうなるのか、色々と興味関心は尽きない。

・ もし中間のボリュームゾーンにある中学3年生が受験を公立と私立の2校も受験するのはいやだ」となったら私立の専願率は上がりひょっとすれば公立の中間ゾーンの学校は「定員割れ」するのではないかとまこと密かにささやかれているとの話も聞いた。

・ お蔭様で本校は専願者が大幅に増えており、併願人気校から専願人気とは言わないが専願校としての地歩を固めつつあるという状況にある。私は毎日の入試広報室からの報告を受けて「ホッ」としているのである。

・ まさに私学関係者の心の奥ひだにある「生徒が来なかったらどうしよう」という不安が今年も解消されそうな状況が徐々に確信されてきたので今朝の朝会でも各管理職に対して「良かったなー、今年も飯が食える。教職員も明るく元気一杯にやっていけるなー」としみじみと申したのである。

・ 私学課が制度設計してくれた生徒一人当たりにかかってくる経常費補助金28万円は生徒が多ければ多いほど膨らむ。大いに期待できれば場合によっては「新校舎建設を1年でも早く建設することを考えるかなー」と独り言を私は言ったのである。とにかく油断することなく高校受験を見事に遂行していかねばならない。



・ 昨日のブログ「高校の国際化、いまこそ」にても言及したが昨日の日経夕刊にも「日本人留学生36%減」との見出しで興味ある記事が出ていた。これは大学生の話であるがとにかくこの記事の論調も「若者の内向き志向」というふうに捉えている。これは人脈作りにも影響が出てくる危険性を指摘し、在日米国大使館のルース大使は「米国から日本への留学生は安定しているが日本からの留学生が減っており良くない兆候だ」と不安視のコメントを寄せていた。


・ そのような状況にあって嬉しい話を一つ紹介しよう。これは生徒というよりその保護者の話である。今年卒業する生徒のN君は卒業式が終わった後の3月7日に日本を発ち米国に西海岸に降り立つ。それは米国留学をするからである。既に進学する大学は決めている。早く渡米し英語の特訓をして9月からの入学に備えるのである。

・ この生徒の保護者は私も良く存じ上げている立派なお方で学校へのご理解とご協力も大いにしていただき大変に有難く思っている保護者である。生徒N君は可愛い一人息子さんであり、この生徒は大人しい優しい心根を持った生徒である。

・ 手元において大阪の大学に進学させたいと普通の親は考えるだろう。しかしN君は別の道を選択した。アメリカの大学に進学させるのである。私はこの話を聞いて嬉しくくて嬉しくて仕方がなかった。

・ 手元におきたい親の気持ちを振り切ってまだ子ども子どもしている一人息子を単身で米国に行かせるのである。私は思った。これは単にアメリカの大学を卒業させるという目的ではなくて単身米国生活を経験させることで「外向きに、しなやかに、生き抜いていく知・力・体」を身に付けさせる狙いもあるのだと私は理解している。

・ N君は浪速中学校から浪速高校に進学し6年間本校で学んでくれた。言ってみれば「子飼の生徒」であり、このN君が私の大好きなアメリカの大学に進学するよう決心した本人とそのお母さんの決断に拍手を送らざるを得ない。この母親をして「賢母」と言わずして誰をいうのか。「孟母三遷」ではないが「孟母米遷」である。私はこの母親は素晴らしいと思う。


・ 私は卒業証明にサインし自宅のN君に電話して激励した。そしたら1時間後突然校長室に顔を出してくれたので私は肩を抱いて頑張るよう言ったのである。どちらかというと口数は少ない方で何時もニコニコして笑顔を絶やさない生徒だけに私は「良いか、どんな苦しいことがあっても米国の大学を卒業せよ。ホームシックにかかっても耐え忍べ。この米国留学は君の人生を間違いなく輝かすものになる」と強く言ったのである。

2011年1月17日月曜日

23年1月17日(月)高校の国際化、今こそ

中学入試が終わった。今日は一次Bの合格発表日であった。午後から行われた校務運営委員会で私は関係者を慰労し次は高校選抜試験に万全を期すよう指示をしたのである。特に今年からは相当事務処理にITを入れているのでリスク管理についても言及した。中学入試結果には十分満足している。特に中身が相当レベルアップし充実してきた。楽しみである。


 
中学入試が無事終わり首尾については満足していると入試広報と中学校サイドを慰労し、合わせて高校受験の準備に万全を期すよう指示をしたのである。
・ 「若者の内向きに企業苦悩」「半数が海外勤務敬遠」「競争力低下懸念」と今朝の読売が伝えている。要は日本の若者の内向き志向に企業が頭を抱えているのというのである。まったく同感である。円高による製造業の海外移転や貿易自由化の進展から海外で活躍できるビジネスマンの重要度が高まっているのにも係らずこの状況は危険である。国を危うくする。



・ 海外への留学者も減ってきており、グローバル企業でも海外勤務はいやという若手社員が増えてきているというのだ。これでは国際競争力がなくなっていく。楽天は北京で採用面接をしたら一流大学生が中心に学生が集まり、昨年には中国人の新卒者を15名も採用したという。ビジネス戦略として海外での売り上げ高比率を現在の数%から7割近くまで高める計画という。
・ 日本の若者がぼやぼやしていたらそのうちに日本の企業の採用者は外国人が占める世になるのではないか。楽天の三木谷会長は「近い将来幹部の半数は外国籍」とまで言い切っている。既に新卒採用の1/3が外国人であるローソンは「前向き、ひたむきさは日本人学生より上」と高く評価しているらしい。これが私には悔しい。とんでもない話である。


・ 大手石油元売りでも海外勤務への拒否反応が強いという。その理由は「日本で平凡に暮らしたい」とか「時差のある海外で忙しく働きたくない」などだというが一体全体どういうことだ。テレビではないが「喝ッ」と言いたい気分である。
・ 私は今から30年前に自ら望んで海外勤務を希望しニューヨークに行かせて貰った。4年弱であったがこの時代はその後の私を形作ったと思う。まだ日本の国力も今ほどではなかったがオフィスにおける現地採用社員との交流、何より米国鉄鋼会社の人々とのs付き合いは素晴らしく今でも記憶に鮮明である。紳士として対等に論じ厳しいビジネスの戦いは日本を代表して頑張っているという自負があった。
・ 記事には産業能率大学の調査で2010年の新卒者の49%が「海外で働きたいとは思わない」と回答したとある。背景は「仕事私生活を両立させたい」とか「共働きが増えて海外に行くとなると単身赴任」だからとかいう。


・ だから前述した海外留学も08年がピークで20%も減少してきている。日本経団連の米倉会長も「資源のない日本を支えるのは技術力と国際貿易でありグローバル人材の育成は重要だ」などとコメントしているがそのようなコメントではどうしようもないのではないか。具体的に政府にどのように働きかけるかが問題である。


・ こういう時に日本の大学と産業界との連携策が何時も議論されるがこれは遅いと私は思っている。大学生になって英語能力や異文化理解などと言っても遅すぎるのである。大学3回生から就職活動に血眼になっている大学生に言っても遅い。
・ 劣化し腐敗臭を放ち始めた日本の政治からはこの問題への具体策が出て来ることは期待できない。政府の話題は小沢問題とか仙石問題とかばかりで「教育で日本を支える」施策などもっとあって然るべきである。
 ・ しかし若者の内向きとか積極性がないとか言っても日本の政治経済の状況がこのままではやる気も出てこない。大体大学生の40%が卒業しても就職がないというのだから日本の若者は悲惨である。既卒者の3年までは新卒扱いにするとか言ってもそれは救急ばんそこうでしかなかろう。

・ もし私が文部科学大臣なら就職のない学生をアメリカ、イギリス、中国、ブラジル、インド、韓国、パリ、メキシコなどの国に各国に100名規模で1年間語学留学をさせる。いかほど費用がかかるというのか。大した金額ではない。子ども手当てで数兆円遣うよりは日本の将来のためではないか。経済界から寄付金を募っても良いではないか。これ位の発想を持てというのである。


・ 読売の記事から以上のように考えていたら何と日経新聞に素晴らしい記事があった。久しぶりに人の読み物で興奮した。世の中には立派な校長先生がおられる。さすが天下に名だたる埼玉浦高の校長先生である。日経の教育欄に埼玉県立浦和高等学校の関根郁夫校長先生が寄稿されているのだが、そのタイトルは「高校の国際化今こそ」というものであった。私が漠然と不安視していた課題をこの先生は文章として提起された。私はこの記事を読んですっきりしたのである。
・ 関根校長は言う。「若者が内向きという意見を鵜呑みにせず、内向きという意見それ自体を疑い自分で考える生徒を育てたいと明確に述べられている。更に高校時代にどんな能力をどのように育てるべきか、どのような授業を提供すべきか本気で検討する時期だと。

・ その起爆材の一つが「海外の若者の受け入れ」と「日本の高校生の海外への送り出し」の実現が重要だといわれるのである。高校の部活動、学校行事で交流が更に深まるし、それは現在の大学生との交流などの比ではない。政府の進めている「留学生30万人計画は昨年度14万人を超えたというが大半が大学生で海外と日本の若者の交流は高校の方が効果的と断じている。それは「必然的に日本の高校の授業改革を促す」と書いておられる。

 ・ 私は本校において海外修学旅行を始めて実施し、ニュージーランド語学研修も再開した。マカオから高校生を受け入れ、オーストラリアからの短期留学を受け入れてきたがそれらの論理的意見を補強してもらった記事であった。高校の国際化は今の閉塞した高校教育を破壊的に改革するエネルギーがあると思うのである。

・ 私は早速副校長に公式に留学生を受け入れる大阪の私立高校として名乗りを上げるために具体的な検討に入るように今朝の朝会で指示したのである。合わせて生徒にも積極的に留学を進めるためにも「留学コース」を高校2年次に選択できるようにコース設計するように検討に入ることにした。1年間かけて検討をしたいと考えている。浪速高校の留学コースを高らかに宣言できるようにしたいと決断した。受け入れと派遣を同一次元で進めるのである。そのような時代である。あえて日本の大学に進学しなくても良いではないか。海外の大学を目指す起爆にもなろう。今日は些か元気になってきた。







2011年1月16日日曜日

23年1月16日(日)中学受験1次B試験

・ イヤー、寒い日であった。夕方のテレビでは今年一番の寒さだと報道していた。「しばれる寒さ」とはこのような寒さのことを言うのか。加齢と共に寒さに弱くなってきた。今日は浪速中学1次B入試日でまだ暗い中から塾の先生方が本校の校門近くで塾の旗を持って自塾の生徒の激励に立ち会っておられるのである。
・ 私は何時もながら塾の先生方の献身的な姿勢に頭が下がる。私立中学受験というのは正直言って塾の先生方がイニシアチブを持っておられる。公立小学校の6年生に進路指導など基本的に有り得ないからである。だから保護者も塾の先生の指導を頼りにされているのである。
・ 並行して午前10時に昨日行われた中学入試1次A試験の合格発表が行われた。これより1時間半前の8時30分からは中学1次B試験が始まった。昨日も今日も全く問題ない試験開始であった。
・ 昨日のA試験では一名の欠席者もいないことは昨日のブログにおいて言及しているが1次Bにおいても例年よりは欠席者が少なかった。元々1次B試験というのは分かり易く言えば本命の一次A受験校のバックアップ、すなわち滑り止め的な学校を選択して来ているのだが数の多さと共に欠席者も少ないというのは本校にとって喜ぶべきことである。
・ 私は本年度入試から本校を連続受験する場合は受験料2万円を2回目は半額にしますと軽減策を講じた。少しでも受験生への応援歌になればという思いからである。これも効果があったのかB試験の受験生が特に関大コースで増えていた。

・ 私立中学の受験というのは実に細やかで様々な配慮がなされているのだが小学校6年生の受験生は二日間に亘って3科目から4科目を神経をすり減らして受験するのであるから、厳しいものだ。1次Aで合格が分かっておれば恐らくB試験はパスするのが通常の感情だろう。
・ ところがどっこい合格発表は午前10時でB試験は8時30分に開始されるから受験生はやはり一生懸命に取り組むように仕組みが出来ているのである。そういう中で数名の欠席者は何らかの形で昨夜中に1次A試験の結果の感触を掴んでいてBをパスしていると考えるほうが一般的である。

・ 最近は午後受験というが流行ってきている。受験生の負担軽減だというのである。本校も今年時間をかけてこの方式の得失を検討するように入試広報室に指示している。そうすればAの発表の時間も午後1時からということになるのか。採点業務が遅くなるなー。

・ しかし合格発表の瞬間は何時もの光景が広がる。喜びに浸り万歳し喜色顔面とはこういうのであろう。そして携帯電話を出して恐らく家で待つお父さんやお祖母ちゃんに電話をされているのであろう。
・ そして既に用意されている保護者は入学納付金を納めることになる。再度出直して来るのは面倒くさいと言って直ぐに支払って親子は手を繋いで家路に急ぐのである。恐らく今晩の夕食はどこかのファミリーレストランで家族打ち揃ってお祝いになるのだと思う。
・ 支払い期限は明日の16時までである。一次A受験の場合、大体直ぐに支払って楽になるのが普通であるが明日夕方ぎりぎりまで待っているご家庭もある。一次Bの結果待ちとか両てんびんにかけてどちらを選ぶのかという悩みもあるのだろう。
・ 納付金は本校の場合21万円であるのだが事務室はこれを間違いなく受け取らねばならない。過不足があってはならないのである。一枚一枚数えて領収書を出す。袋毎受け取って後で一枚少なかっただとか1枚多くあった(こういう経験はない)があってはならないのである。
・ そして私立中学校の場合は第2次試験日を大体各校組む。本校は少し間が空いて1月20日となる。これは拾いこみが目的というよりかAもBも失敗して行くところがなくなった生徒に受験校を確保させてやりたいという私学の精神である。本校でも例年数名の受験生が来られる。
・ これも変わった状況が時に現れる。どうしても浪速中学に入りたいと言ってA,Bと連続して受けるのは一般的だが最初から2次試験の願書まで出している生徒がいるのである。何回受験しても合格点に届かないと合格できないのだが3回連続受験すれば一回くらいは合格ラインにひっかかるか、学校も「それほど入りたいなら」と特別配慮を期待しているのかどうかは私には分からない。しかしこういう話は嬉しい。

・ 本日のB試験の合格発表は明日の朝10時であるがB試験の受験生は中には見に来ない生徒もいるのである。B試験が終わって家に帰るまでには昨日受けたA試験先の合否が分かっているから仮に合格していたら本命のA受験校に進学するからB試験の合格発表などどうでも良いのである。

・ 学校からするとB試験を受験した生徒はいくら合格としても本当に来てくれるのか、分からないというのも私立中学受験の特徴である。B受験に来た子どもがAでどの中学を受験したかはさっぱり分からないし、合否の結果も分かりようがないからBの合格発表はせん無いものがあるのも事実だ。

・ 従って中学受験にも「戻り」という概念が出てくるのである。基本的にBからの戻りは期待できない。又流れもそのような傾向である。激しい生徒獲得競争にある訳だから1次Aの合否ラインを下げて生徒を取り込もうとするならば勝負は1次Aで終わるのである。だから一次A試験で受験生を集めないといけない。戻りを期待できなくなっているのは高校受験と全く同じである。

・ 併願人気中学校は危険なのである。専願人気中学校を目指さねばならない。A試験は専願試験、B試験は併願試験と区分できる。1次A試験の受験生を増やさねばならないが、そのための道は厳しくてまず併願人気校から進化するのだろうと思う。本当にややこしい時代になってきた。しかしこの辺の些か興奮する仕組みの面白さは私学の醍醐味なのである。私学は面白い。嬉しいことは今年の入試で合格を出した生徒の学力が相当高いことである。昨年平均を大幅に向上させている。これは楽しみになってきた。

2011年1月15日土曜日

1月15日 土曜日でも忙しい一日 中学入試始まる

・ 今日は浪速中学校1次A試験日である。何時もの通り学校に到着。既に早い中学の教員は来ており最後の準備状況の確認を行っていた。7時45分から試験本部で教員朝礼をして私から訓示をした。緊張感を持って対応して欲しいと私は述べたのである。心配していたが受験生103名全員が揃って8時30分一科目目に入ったのである。
・ 同じ時刻頃高校3年生はセンター試験会場である大阪市立大学に行っているが、私は行けなかったけれども進路指導の教諭が激励に行ってくれた。今年は全国で56万人というがその中に本校の生徒も300人近くいる。頑張って欲しいと私は心の中で叫んだのである。
・ 私は夕方の判定会議まで時間があるので高校1年生が多聞尚学館で古文の特訓中であり、激励に出かけた。小雪が舞い散る千早赤阪は大変美しい光景であった。120名の生徒が3教室に分かれて頑張っていた。私は彼らに2年後は今3年生が戦っているセンター試験がある。実力を付けよと檄を飛ばしたのである。


・ トンボ帰りであったが帰りに久しぶりにふくろうスタジアムに立ち寄った。3年生は引退しているから高1と高2のラグビー部員が寒い中で練習を行い丁度終了した頃合であり、私は部員を2階のクラブハウスに集め、肩の凝らない話をしてあげたのである。スポーツをやる生徒は本当にさっぱりして気持ちが良い。

・ その後建設中の武道館の現地立会いを行い決めるべきところを次々と決めていった。先ほど書いた定礎の場所も決定した。現在は木工工事など意匠の段階だから日々様相が変わっていく。素晴しいものになること、請け負いである。余り現時点でブログに様相を紹介すると完成後のサプライズがないから今後は控えようと思う。最後のお楽しみである。

・ 学校関係者にとって常に悩ましい問題はクラブと勉強との両立問題である。本校も長い間常にこの問題が付き纏っていたといっても過言ではない。クラブが生徒の心身の成長に極めて大きな影響を与えるという議論は全くその通りで議論の余地はないだろう。私もクラブ活動積極的推薦派であるし支援者である。・ しかし進路に関わっている教員からすれば簡単な話ではなくて「結果として学業がおろそかになる」と言ってこれまた生徒のことを考えてクラブの積極派とはなりえないのである。それが理数科とか本校で言うⅠ類の生徒、すなわち国公立大学を狙っている生徒たちを見ている教員団からすれば大変な問題なのである。

・ 元来生徒個人がクラブと学業を両立すべきであると簡単に言う人がいるがそれは実は簡単な話ではない。確かにクラブ指導の先生からすれば来たり来なかったりではチームワークは取れないだろう。今日的学校のクラブとはそういうものである。

・ 昨年秋本校のラグビー部が秋季大会で好成績を挙げて準々決勝まで進み、強豪校の関西創価高校と当たりこれに勝ったら桐蔭高校との対戦があると言ってクラブ員の海外修学旅行をどうするかという問題がにわかに起こったのである。私は折角の初の海外修学旅行でありレギュラーになっていない生徒や逆に旅行に行きたいという生徒も居るのではないかとクラブの先生に言ってその意思を確認して貰ったらなんと全員がたとえ試合に出れなくともラグビーを優先させたいということになった。皆と一緒にここまで頑張ってきたのだから最後まで皆と行動を共にしたいというのである。おそらくこれが今日的高校クラブの真の姿であろう。


・ とにかく本校は長い間難関大学を目指している理数科やⅠ類の部活動を禁止していたが議論を経て23年度からこの縛りを外すこととしたのである。それは基本的にやはりこの施策は間違っているのではないかという疑念がぬぐえなかったことと、結構勉強の出来る生徒はスポーツをしても優秀だからである。

・ 勿論浪速の理数科に入ったもののクラブは出来ないといって本校を敬遠する話も耳に入ったりしていたことも理由にあるが特定の生徒にクラブをさせないというのは良くないことだと私は結論を出したのである。理数科長などから異論が出たが、最後の最後そのように学校長が決めたのである。

・ 昨日副校長、高校教頭、教務部長、理数科長、進路指導部長、に来て貰って最終的にこの方針を確認し、クラブ全面解禁の方針を再確認した。ただ世の中は私立高校授業料無償化拡大の中で事態は時々刻々変わって来ている。

・ 浪速は学習のこま数などが決して少なくなくて多いほうであるが実力アップ講座とか土曜日の選択講座とか少し分かりにくくなって来ているのと、見た目の授業のこま数が他校に比べてどうなのか再度検証して見直しが必要なら見直すべしと私は指示したのである。

・ 土曜講座もクラブ選択を行い平日にも堺のふくろうに行き、夏休みも8月後半にクラブばっかりというのは如何にもいかがかと言う命題を突きつけたのである。場合によっては土曜選択は元の授業に戻し,その代わりにふくろうの練習時間は延長しても良いと妥協案も示した。

・ 大体、土曜日も練習しふくろうでは長時間に亘って思い切った練習が出来るようになったわけだからどこかで折り合いを付けなければそれこそ理数科やⅠ類の生徒はクラブばっかりで進学の準備が遅れるということにもなりかねないのである。要はクラブは全面解禁とするがどこかで折り合いを付けて欲しいとお願いしたのである。

・ 言わなければクラブ員は朝から晩までクラブばっかりであろう。高校生のクラブとはそういうものである。又ふくろう総合球戯場も昨年6月以来まだ試行中のものである。丁度良い機会だから使い方も見直しが必要なら、そうすれば良いと言ったのである。又お盆明けの高校1.2年生も「授業を考えるべき」と私は言明した。夏期講習などといわず授業にしたらということである。どこかで折り合いを付けるのである。

・ こう言うと誰かが本年度から始めた土曜選択講座もふくろうスタジアムも「既得権益」とか考えて反対するならそれは間違っている。今年は初年度で試行段階である。浪速は良い学校だがクラブばっかりで学習の方は如何にもと言われようなら先生方には辛い話である。実際には頑張ってくれているのだから。

・ 今朝の新聞に本校の高校1年生森脇里奈さんがアイスホッケー、スケート国体の旗手を務めると大きく新聞に出ていた。名誉なことで校長としては嬉しくてならない。正門にはのぼりをぶら下げ、昨日は激励金を手渡して頑張ってくるように背中を押したのである。高校のクラブの醍醐味がここにはある。

・ 写真の写りは本人そのもので森脇さんは礼儀正しく美しい女生徒である。大阪選手団63名の団長さんだから大したものである。このように学校のクラブは学校の名前を大きく高めてくれるのである。橋下知事の進める高等学校評価に間違いなく森脇は貢献してくれている。
・ 公立私立同一土俵で生き残りに勝負をかけるには部活動の扱いは極めて重要である。勿論進路実績も重要である。私は多聞尚学館の学習特訓も「学習クラブ」と位置づけているのである。これらの折り合いをどこに付けてクラブをどのように効率的に指導していくのかも教師には問われるだろう。

・ 練習場もある、部員も居る、練習時間も取った、それで居て一向に強くならないのは指導者の責任である。他校と同じような練習時間でよい成績を上げてもらわないと学校長としては困るのである。