・ センター試験については最終結果は20日以降に出揃うと思うが高校3年生のM君は自己採点で900点満点得点率が85%であり、頑張ってくれた。現時点では第一志望は京都大学である。私はこの結果にも満足している。M君は数学が得意で多聞尚学館でも常にトップの成績を修めていた。具体的な「多聞尚学館効果」である。
・ さて問題の高校受験であるがこれはまだ今週一杯出入りがある。受験生は志望先を最終的に決めなければならないタイムリミットが近づいているのである。大阪府の特別施策「私立高校授業料無償化拡大」によってどのような受験地図になるのかさっぱり分からないが現象的には私立優位となってきている感じがする。
・ 「公立私立同一土俵での生徒獲得勝負」という橋下知事の狙いは果たしてどのような結果を示すのであろうか。「私立高校の授業料がただだったら私立にするわ」となれば私立高校には追い風となる。理屈上はこうならなければならない筈である。
・ それは具体的に「専願比率の向上」という形で現れるはずであるがふたを開けてみて初めて分かる話である。それもトップ校といわゆる偏差値下位校でどのような傾向を示すのか、中間のボリュームゾーンにある学校はどうなるのか、色々と興味関心は尽きない。
・ もし中間のボリュームゾーンにある中学3年生が受験を公立と私立の2校も受験するのはいやだ」となったら私立の専願率は上がりひょっとすれば公立の中間ゾーンの学校は「定員割れ」するのではないかとまこと密かにささやかれているとの話も聞いた。
・ お蔭様で本校は専願者が大幅に増えており、併願人気校から専願人気とは言わないが専願校としての地歩を固めつつあるという状況にある。私は毎日の入試広報室からの報告を受けて「ホッ」としているのである。
・ まさに私学関係者の心の奥ひだにある「生徒が来なかったらどうしよう」という不安が今年も解消されそうな状況が徐々に確信されてきたので今朝の朝会でも各管理職に対して「良かったなー、今年も飯が食える。教職員も明るく元気一杯にやっていけるなー」としみじみと申したのである。
・ 私学課が制度設計してくれた生徒一人当たりにかかってくる経常費補助金28万円は生徒が多ければ多いほど膨らむ。大いに期待できれば場合によっては「新校舎建設を1年でも早く建設することを考えるかなー」と独り言を私は言ったのである。とにかく油断することなく高校受験を見事に遂行していかねばならない。
・ 昨日のブログ「高校の国際化、いまこそ」にても言及したが昨日の日経夕刊にも「日本人留学生36%減」との見出しで興味ある記事が出ていた。これは大学生の話であるがとにかくこの記事の論調も「若者の内向き志向」というふうに捉えている。これは人脈作りにも影響が出てくる危険性を指摘し、在日米国大使館のルース大使は「米国から日本への留学生は安定しているが日本からの留学生が減っており良くない兆候だ」と不安視のコメントを寄せていた。


・ そのような状況にあって嬉しい話を一つ紹介しよう。これは生徒というよりその保護者の話である。今年卒業する生徒のN君は卒業式が終わった後の3月7日に日本を発ち米国に西海岸に降り立つ。それは米国留学をするからである。既に進学する大学は決めている。早く渡米し英語の特訓をして9月からの入学に備えるのである。
・ この生徒の保護者は私も良く存じ上げている立派なお方で学校へのご理解とご協力も大いにしていただき大変に有難く思っている保護者である。生徒N君は可愛い一人息子さんであり、この生徒は大人しい優しい心根を持った生徒である。
・ 手元において大阪の大学に進学させたいと普通の親は考えるだろう。しかしN君は別の道を選択した。アメリカの大学に進学させるのである。私はこの話を聞いて嬉しくくて嬉しくて仕方がなかった。
・ 手元におきたい親の気持ちを振り切ってまだ子ども子どもしている一人息子を単身で米国に行かせるのである。私は思った。これは単にアメリカの大学を卒業させるという目的ではなくて単身米国生活を経験させることで「外向きに、しなやかに、生き抜いていく知・力・体」を身に付けさせる狙いもあるのだと私は理解している。
・ N君は浪速中学校から浪速高校に進学し6年間本校で学んでくれた。言ってみれば「子飼の生徒」であり、このN君が私の大好きなアメリカの大学に進学するよう決心した本人とそのお母さんの決断に拍手を送らざるを得ない。この母親をして「賢母」と言わずして誰をいうのか。「孟母三遷」ではないが「孟母米遷」である。私はこの母親は素晴らしいと思う。
・ 私は卒業証明にサインし自宅のN君に電話して激励した。そしたら1時間後突然校長室に顔を出してくれたので私は肩を抱いて頑張るよう言ったのである。どちらかというと口数は少ない方で何時もニコニコして笑顔を絶やさない生徒だけに私は「良いか、どんな苦しいことがあっても米国の大学を卒業せよ。ホームシックにかかっても耐え忍べ。この米国留学は君の人生を間違いなく輝かすものになる」と強く言ったのである。