
・ そう、勢力地図という表現が橋下知事にふさわしい。知事の言葉「公立、私立同一土俵での生徒獲得競争」で多く集めた学校にパーヘッドで生徒一人当たり28万円の補助金を頂けるのだから関心を持たないほうがおかしいのである。私はこれらのデータを眺め、考えるのが大好きである。今日一日これだけで過ごすくらいである。
・ しかし年を取って小さい字が見えにくくなってきた。それに今年になって取り替えた眼鏡がどうもしっくり来ない。従って小さい字を見るときは老眼鏡の小さなものを付け足して数値を追うのである。この数値を見るには絶対に「大阪日日新聞」に限る。この新聞でなければならない。他紙は扱いが小さくて、必然的に数値が小さく見えにくいし「余白に書き込めない」のである。とにかく大阪日日が良い。2面も使ってだから、自分で電卓を使って数値を書き込めるのである。
・ 当然この日は入試広報室も動いており、朝会までに府内すべての学校の一覧表が8時40分には完成していた。出来てなかったら「大目玉」である。当たり前である。専願数、併願志願者数など上位から順番に表にしてくれているから分かり易い。入試広報はこうでなくてはならない。能天気にただ新聞を眺めているだけだったら入試広報室からバイバイした方が良いだろう。
・ 発表は府内公立中学校校長会が行うものである。1月17日集計の第2回目の集計数値だから新聞報道の数値はまだまだ変化する。本校も新聞の数値は専願数値で355名となっているが今朝現在の数値は390名と増えてきている。又今日の記事には他府県からの数値は入っていない。
・ 本校の場合他府県からはほとんど無いが学校の中にはこの数値が重要という学校は結構多い。具体的には北に位置する学校で京都や兵庫県から、又市内中心部の学校は多くは奈良県からである。・ 大阪の私立高校は橋下知事のお陰で授業料無償化拡大となったがそれは府内の生徒に限られており他府県は対象外である。従って「席の隣の生徒は奈良から通っているから60万円の授業料を払っているが、私はただ!」という想定の光景が志願状況にどのような影響を与えるのかという素朴な疑問を個人的に有していたのである。
・ 朝一番に親しくしている北部に位置している某私立高校の校長先生に様子を聞く限りでは「余り影響したという状況にはない」ということで専願数値が大幅に伸びておられた。上町台地中心部の私立高校数校は奈良から大挙して受け入れている学校であるが、どうなんだろうと思ってしまう。「どうですか」などと聞けないし、聞かなくとも来週になればすべて直ぐ分かる。
・ 橋下改革で「私立高校に何が起きつつあるか」は今回ではっきりした。「私立高校専願比率が過去10年で最大の数値」となったことである。専願が増えるだろうことは当然予想されたことであったが、今朝それが具体的に「数値になって表に現れた」ということである。
・ 今春府内の公立中学校を卒業する者のうち府内の私立高校を「専願で希望する者の比率が22.29%」となり前年同時期の18.98%に比べ3.31ポイント上昇したのである。前述したように、これは過去10年で新記録の数値であるが、ここでじっくり考えねばならない。
・ 年収610万円まで完全無償化にし、更に800万円となっても年間10万円の授業料にしたのに、たかが3.31%しか増えなかったのである。府内私立高校の全日制希望する生徒は62000人、このうち16000人が専願人数である。昨年度が12300人だったから「3700人の増」である。これを多いと見るか、少ないとみるかが問題なのである。
・ 面白いのは他府県に出て行く生徒数は昨年とほぼ同じで3500人というから、如何に受験というのは保守性が強いかと思わざるを得ない。これらの人々は授業料無償化など関係ないご家庭なのである。
・ 戻って、専願者の増の3700人を府内私立高校95校で割ると一校あたり39名となるからどの私立校も一クラス専願増だとなればすべての私立がハッピーなのだが実態はどうもそのようになっていないから大変なのである。
・ 例えば本校では内部進学を除く専願者数は昨年同時期で298名であったが今年が現時点で390名となっているので「92名の増」である。他の私立2校分を取っている形になっている。そのように数値を見ているとすごいことになっているのが分かる。
・ 共学に踏み切った上宮さんはなんと293名の増、順不同で大阪学芸さんが139名の増、桃山学院さんが89名、阪南大学さんが248名、常翔学園さんが85名、興国さんが107名などである。特に興国さんは専願絶対数値が604名でダントツである。専願で定員を大幅にオーバーしているすごい学校である。その他専願数値そのものが300名を超えている学校には大阪電通大付属、堺女子、星翔、大阪学院大付属、近大付属、清明学院、大阪樟蔭女子さんなどがいる。専願数値トップは興国さんの604名、本校は355名で95校中10番目につけている。
・ 他府県が入っていないからそれを考慮しても、中には専願が増えるどころか大幅に減少している学校が多く見られる。悲惨としか言いようも無い学校が今年は目立つ。このように見ていくと今回の施策で「府内私立高校は明確に2グループに分かれつつある」ことが見えて来た。完全に「2極化」である。
・ 加えてもう一つ忘れてはならない数値が「併願数値」である。当然ながら専願数値が伸びた分併願数は減少している。「減少した併願数値がどの学校に流れているのか」という視点が重要である。併願人気校というのは「まだ公立優先だが不合格なら行きたいという学校」であるから人気のバロメーターであり、専願校に成長するために通らざるを得ない道なのである。
・ 府内トップは大阪学芸さんで1880名、次いで本校が1872名、次いで順に桃山学院さんの1647名、大産大付属1548名、阪南大学付属さんが1440名、常翔学園さんが1393名、関西大倉さんが1347名、大商大堺さんが1319名、四条畷学園さんが1206名となって以下は1000人を切っている。
・ しかし併願数値が大きいと言っても「戻り率」は極めて小さいというのが我々の見方である。しかし戻りが少ないと言っても母体が大きい方が良いわけであるから併願数値は多いほうが良いに決まっている。併願戻り率を5%として仮に置くと本校でいえば1872X0.05=94名だからそのように計算したら専願+内部進学+併願戻り=549名となる。悪くはない数値であるが、まだ「捕らぬ狸の皮算用」となる可能性はあり最後の蓋を空けるまでは分からない。
・ それにしても不謹慎だが競馬流に言えば大阪学芸さんと浪速はまさに「熾烈な戦い」にあるといえる。デッドヒートとはこういうのを言う。ここ数年この数値が勝ったり負けたりでそれもその差が「鼻の差」というか僅差でこのようなことが世の中にあるのかという感じである。お互い大学の付属ではなくて良くやっていると思う。学芸さんと詳細比較してみよう。専願数値で言えば本校は内部進学生が355名、ただ内部進学生が本校にはいるから、これを加えれば455名、学芸さんが401名、併願数値で言えば学芸さんが1880名、本校が1872名となりまさにガチンコ勝負である。
・ 電車で一駅、二駅にある近隣の学校という前提で、本校の競合する学校がはっきりしてきた。「浪速などライバルではない」とお叱りを受けそうだが敢えて勝手にお名前を出せば、大阪南部地域では前述の大阪学芸高校さんや桃山学院さんと拮抗する関係にある。これらの学校に胸を貸して貰って頑張らねばならない。目標にする学校があることは幸せである。総合力の高い伝統校桃山学院高校や大阪学芸高校は強い。
・ 誤解のないように強調しておかねばなるまいが、生徒の多い学校が良い学校とは限らない。敢えて生徒数を絞り適切な規模で極めて質の良い教育を提供している私立高校は多いのである。我々はこれらの学校を勉強しながら一つ一つ階段を上っていかねばならない。
・ 私は大阪天満宮の宮司(名誉理事長)や道明寺天満宮の宮司(理事長職務代理)に電話をして「新校舎建設」を急ぐ相談をした。先行する学校に比べて校舎が古い。もう1年待つか、もう「ゴー!」のトリガーを引くか、悩んでいるのである。あのように機能的で美しい校舎の浪速で学びたいと本校に志願者が殺到するような新校舎を何時作るかと今焦点を定めつつあるのである。
・ しかし不遜なようだがすべて私の体力と気力にかかっていると思っている。名誉理事長も理事長職務代理も私より年長者である。ここでもし私が倒れたら莫大な負債を抱え込んでこの学校は大変なことになろうことを心配している。何時までも今のように生徒が来てくれる学校とは限らないからである。急激に立ち上がった学校は又急激に崩壊する危険性も有している。そうならないように今、私は教職員を鍛えに鍛えているのであるが、「親の心、子知らず」と言う局面はまだまだ多い。
