・ 10月29日に予定されている「洗心亭お茶室披きの引出物」であるお茶碗の準備が順調に進んでいる。「洗心茶碗」も窯元から堺の出入りの茶商に届いたと言う知らせがあった。今検品中とのことである。
・ この茶碗は何と言っても価値ある一品となる。何故なら表千家千宗左お家元から揮毫して頂いた「洗心亭+花押」の内洗心の文字と花押」を茶碗に焼き付けたものである。瀬戸の窯元に依頼して作製して貰った。
・ お茶碗は所謂「碗型」と言われるもので最も一般的な扱い易い品格のある茶碗らしい茶碗である。お茶碗には様々な形があって「井戸型」「熊川型」「志野型」「楽型」「筒型」「半筒型」「沓型」等々数え上げれば切が無い。別途書くがこの洗心茶碗とは異なる「オリジナル茶碗」は志野型にした。
・ 担当からは箱に入れる「お茶室とお茶碗の由来を書いた小文」を書くように言われていたのだがついつい手が届かず一向に書く気にならなかったのであるが、本日茶商の社長さんが「お祝い金」を持参され学校に見えられた。
・ わざわざお越し頂いて恐縮したのだが、この時に社長さんから「なるべく早く」と言われたのである。これでようやく重い腰があがった。どうもブログを書くようになって文章が長くなった。長いのは詳細が記録されているから分かり易いのだが読む方には辛い話である。
・ あれもこれも伝えたいと思うから最初の文章はやはりA2枚になった。しかしお茶碗の入った桐箱に入れるものだから2枚は多い。せいぜいA4サイズ一枚にすべきであり、私は削っていったのである。
・ 戦国時代のお茶碗が今に残っているようにこういう物は代々その家庭で伝承されていく。もしくは古道具屋に売り飛ばされるだけだ。その時にお茶碗の由来と茶碗の銘などを書いた箱裏書があれば伝承は明確となる。
・ お分かりになる方はお家元の花押だけで「わー、12代千宗左お家元の字だー」となるのだが一般には分かりにくい。それに私としたら浪速武道館があってこの茶碗があるわけでこの辺の経緯も記しておきたいと思うのである。
・ そういう訳で一応作った文章は以下の通りである。最もまだ手が入ると思うが。・・・。:
浪速武道館お茶室「洗心亭」茶席席披き記念
「洗心お茶碗について」
・ 平成23年は我国とっても本校にとっても忘れられない日となりました。3月11日東日本大震災が発生したこの日、私は2日後の3月13日に控えた浪速武道館の竣工祭の準備の為にお茶室「洗心亭」で関係者や茶道部の生徒と共に受け入れの準備中に床の間の軸が小さく揺れるのを感じました。明確に覚えています。
・ 後刻その被害の甚大なことを知り、式典は予定通り行うが夕刻に予定されていた完成祝賀会と5月の連休明けに計画していた「お茶席披き」は自粛することと致しました。このようにこの浪速武道館は我国にとって未曾有の国難をもたらした大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故の年に竣工されたものであります。
・ 一方本校では平成19年から始まった「学校改革の最終章がこのお茶室披き」でありました。平成20年、千早赤阪村に開設した校外学習合宿施設「多聞尚学館」、そして平成22年の堺市に建設した総合球技場「浪速ふくろうスタジアム」そして今回の「浪速武道館」の竣工を持って「教育トライアングル」の完成と称しています。理事会や全教職員が一致協力して推進した浪速改革の具体的な成果なのです。
・ そして遂に平成23年10月29日(土)にご関係の皆様のご理解とご支援を頂き「お茶室披き」を挙行することが出来ました。和室全体を表して「洗心亭」としていますが、「洗心」は本校名誉理事長で道明寺天満宮の南坊城充興宮司に名付けて頂き、それに表千家千宗左お家元から「亭」の字を頂き洗心亭となったものであります。お家元には有り難くも「洗心亭の揮毫」を頂戴致しました。
・ この「洗心」茶碗はこの扁額からお家元の字を頂いて瀬戸の窯元に依頼して作られたものであります。お茶室洗心亭は様々な思い込めた設計としております。我国は「神々の国」であり、本校は大正12年に神社神道の根本儀を建学の精神に持つ学校であります。森羅万象すべてに神が宿り、「五穀豊穣」を祝い自然の持つ力に感謝することが日本人の心であります。
・ お茶室洗心亭は武道館の中にある「精神的な真髄の場所」という捉え方で設計段階から最重要として位置づけてきました。そこに和室とお茶室を設け、「日本の歴史の原点である古事記の世界」と神社界では極めて重要なものである罪穢れを消滅するための祈りの言葉「祝詞」であるところの「大祓詞(おおはらえのことば)」の具現化が茶室の杉の板目に描かれたものです。
・ 表千家学校茶道部の正式な一員として認定され多くの部員を誇る浪速茶道部として順調に門出をすることが出来ました。生徒には茶道を学ぶことでこの武道館に流れる「清冽」と「品格」の中、お茶の心「和敬静寂」の精神を身に付けて欲しいと念願しています。
・ お家元のご懇篤なるご配慮でお家元ご名代の木村雄其宗匠のご臨席を得、又玉永ご社中南坊城ご社中のご支援で記念すべきお茶室披きが行われるようになったことはこの上ない喜びであります。この洗心茶碗が未来永劫この一文と共に永らえることを念願しております。
平成23年10月29日(土) 学校法人浪速学院
浪速高等学校長、関西大学連携浪速中学校長
木村 智彦
