・ しかしそれにしても「上手いことを考える」と私は驚いた。ヤフーの質問箱に投稿して、また面白いのはすぐ解答が帰ってくると言う素早さである。これは一体どういうことだろう。又この種の善悪の判断の出来ない、それでいて京大を受験するような頭脳明晰な人間に出てきているという現実に驚く。
・ 卒業した高校3年生の大学進学実績が素晴らしい。昨年が少し悪かっただけに今年の伸びが光っている。進路指導部長は肩で風を切って歩いている。担当のI先生も幾分興奮した面持ちで廊下を歩いている。
・ 進路指導部は自信があったのだろう。合格実績を校内の黒板に張り出して良いかと一ヶ月前頃了承を求めに来たので、気は進まなかったが「承知」した。しかし確かに生徒や保護者はこのニュースをよく見ていた。少なくとも在校生には効果があったろう。
・ 昨日も同志社大学の前期合格実績が昨年の4倍と報告にきてくれた。その他の大学でもトップ5位とか久方ぶりに浪速高校はサンデー毎日に記載されてきている。有名な私学において軒並み数を伸ばしている。国公立もそのうち出てくるだろう。
・ しかし私は思うのである。口が酸っぱくなるようにして「地方にも良い大学はあるぞ」と言って来たがやはり大阪の子は地元志向が強い。「都落ち」と思うのであろうか。決してそのような事は無いのだが地方を敬遠する。
・ 従って関西の場合、私学が強いのである。関関同立を中心にして地方の学生も集めるから極めて大きな受験生の数になっている。今日的な生徒はやはり都会的な大学を好むのである。
・ ここに一つのデータがある。2月15日(火)の産経新聞の記事だが「下宿代」が30年前の水準に落ちていると言うのである。長引く不況で親の経済力が落ちており親の仕送りが平均7万円という。

・ 記事は伝えている。下宿の生活費は63130円でこれ昭和55年の62100円並で全ては食費に消えて自由に使えるお金が減り厳しい学生生活を送っている学生が増えていると言う。
・ まさしく「我慢」と言う言葉がふさわしい生活ぶりだというから、このような状況では親の傍で大学に通えるという選択を生徒が取るのも止むを得ないのか。又就活の長期化で4年生のアルバイト料も減少し「泣きっ面に蜂」だというのである。まさに生活のデフレスパイラルである。
・ テレビでも新聞でもマスコミは「超就職氷河期」については報道しているが、少し「突っ込み」が足りないのではないか。3月2日の読売新聞は久々に直球を投げていた。「有名企業ばかり狙って全敗」「学生が招くミスマッチ」の見出しである。

・ 7大商社、サントリー、トヨタなど新聞やテレビに出てくる大手企業ばかり狙って40社ほどを選んで順番に回っているがまだ記事に出ている学生は内定を得ていないという。さらに100社を歩くそうだ。
・ この学生、立派な大学の学生だが昨年も失敗し、1年留年して今年に望んだが状況は悪くなっているという。親が積み立ててくれた預金を取り崩し留年の費用と就活の交通費に充てているそうだが、こうなるともう悲劇である。
・ とにかく新卒の雇用状況は無茶苦茶に悪いのであって「昨年12月の内定率は過去最低の68.8%を記録」している。就職氷河期と言われた1999年が74.5%だったから酷さの具合が分かる。
・ 政府も経済団体も少し動いているがそれらははっきり言って何の足しにもならない。あくまで採用権限は企業側にあるのであって厳しい競争がそこにはあるからである。卒業して3年間は「新卒扱い」と言ったって、そんなことを喜ぶ学生はいないだろう。
・ どうしてこのような事態になるのか、ここが問題である。新聞記事には関西大学のキャリアセンターの幹部の言葉として「学生は中学生でも知っているような親しみやすい企業にしか興味を示さない。まして中小企業のことなど何も知らない」と苦りきった顔でコメントしている。
・ これは当たっている。しかし本質の問題は私に言わせれば「企業の募集人員よりは大学生の数が増えすぎたから」このような状況になるのであって、増えた学生が一流企業ばかり狙うから内定率は下がったままなのである。
・ 2月21日(月)日経新聞は私の意見に同調する記事を載せてくれた。大学の数は世界トップクラスで進学率も上昇した。このことが就職の間口を狭くしているというのだ。1987年、今から23年前の求人数は61万人で大学生の就職希望者は約26万人だった。

・ ところが2011年は求人数は約58万人と余り変わらないのに、就職希望者は約46万人だから大学生が増えた分「狭き門」になっているのである。「日本の大学の数は現在778大学」でアメリカの2629校に次ぐ。次に韓国407校、ドイツ370校、英国167校、フランス94校と量だけを見れば世界のトップレベルである。
・ しかし「質の国際比較では大きく遅れ」を取っている。東大でも世界で19位というから大学ランキングで言えば米国や英国に大きく遅れを取っているのである。ところが今でも図表にあるように大学の数は右肩上がりであり進学数も同様である。
・ 記録に残っている1954年度は私は9才であったがこの年の大学進学率は7.9%、2002年には40.5%、2010年度が過去最高で50.9%だから異常に伸びているのである。
・ 今や二人に一人が大学生であり、現在在籍する大学生の数は260万人というから働かない就職活動する大学生が目に付くのは当たり前なのである。そのうちに何が起きてくるか、すでに起きつつあるのであるがまず少子化の更なる進展で「大学の淘汰」が始まる。
・ そして今起きている「大学生の就職浪人の増加」、「フリーターへの転落が現実」となってきている。それは日本の勤労者と雇用状況に従来の概念とは異なる劇的な転換を促すだろう。まさしく「大学は出たけれど」の世界である。
・ まず「大学を出て門衛をしている」「大学を出てスーパーのレジを打っている」「大学を出てタクシーの運転手をしている」という現象が日常茶飯事となるだろう。「大学を出て製造業の現場の工員さんをしている」「大学を出てデパートの売り子さんをしている」「大学を出てホテルのリネン担当をしている」「大学を出てクリーニング屋さんに勤めている」「大学を出て何もしていない」などなど今までに見慣れない光景が広がっていくのではないか。
