2011年3月5日土曜日

23年3月5日(土)公立中学校進路希望先の発表

・ 正式には「平成二十三年度入試 大阪府立公立中学校卒業見込者の進路希望調査」という。これの3回目が昨日公立中学校校長会からプレスにリリースされた。3回目と言っても我々私学関係者には初めてのデータである。今朝の各紙が報じているが、私はいうより府内の私学の関係者はこの日を待ち望んでいた筈である。

・ 月曜日に公立高校の前期試験の合格発表があって今度は16日に行われる後期試験がある。受験生には辛い日々が続くが頑張って欲しい。大学も後期試験は無くしていく方向にあるが高校はまだ後期試験がある。
・ 高校受験は大学受験に比べて進学率が97%近くあり、「15歳の春を泣かすな」との合言葉にあるように公立私立高校、手厚く配慮して高校の門戸を開いているのである。義務教育とは言わないが高校も最早義務教育化的になってきている。

・ しかし記事は想定どおりの結果を示している。公立高校107校の全日制普通科の課程のある「公立高校で49校が定員割れ」だ。最も来週前半で変動が出てくるからこの数値は最終に向けて更に大きく動く。
・ 受験生のいるご家庭では今朝の新聞記事を見て様々な動きが出てくるだろう。倍率の高いところは当然「進路指導」の名の下に「調整が行われる」。「君の志望している高校の倍率が高い、君の学力レベルではすれすれだから一段下げたらどうだ」と言う風に「偏差値輪切り」で調整するのである。

・ その結果各校大体同じような倍率になってくるのだがこの傾向は近年変わってきている。特に昨年あたりから著しい。私立校の授業料の無償化拡大だから併願合格を貰っている生徒は「いや、志望どおり受けます。駄目だったら私学に行くだけの話しです」となるのもあろう。

・ 素直に「分かりました。それでは志望先を変えます」と言うのが一般的だろうが近年中学校の進路指導というより塾の進路指導の影響力が高いとされており、そうなると偏差値輪切りというかそれらの理屈の通る学校は進学校と言える。

・ 従って私立高校の偏差値がここで問題となるのである。低い偏差値とされている学校は学校の進路指導に素直に従うのではないか。元々塾などに通っているとは考えにくいから素直に「分かりました」となるかも知れない。

・ しかしだ。元々そういう私立は専願で溢れかえっているから併願戻りなど気にしていない。問題は併願人気のある学校である。本校のように進学校で一応併願人気校とされている学校は最も影響を受ける学校なのである。

・ 本校が併願とされている府立高校の倍率を食い入るように私は眺める。そして計算するのである。志願者数マイナス定員×戻り率である。この数値が想定併願戻り数である。

・ しかし今朝の発表で定員割れした府立高校の校長先生は当然想定はしていただろうが顔色は冴えないだろう。進学校以外は軒並み定員割れだから完全にレッテルを貼られたようなものだ。橋下改革によって府立高校は完全に明暗が分かれたが知事が言いたかったことはここだ。
・ 「人気の無い公立はつぶす」と言うものだが本心は公立といえども「特徴を掲げて生徒募集に努力せよ」ということなのであろう。ところが考えが総じて甘いというより公立は特段生徒募集に関して私学みたいに簡単な話ではない。
・ 確かに今までは「お上まかせ」だったから出てきた数値をそのまま受け入れていたのだ。そこに「動けよ」と言われても具体的にどう動いたら良いか分からないのであろう。又動いて効果のある学校と意味のない学校もあるだろう。
・ 府立高校の校長の立場も辛い。超進学重点校は放っておいても生徒は集まるが中間や低位に位置する学校の校長は「一体何をせよと言うのか」と叫びたいのではないか。私にはこれらの校長の気持ちはよく分かる。

・ 倍率が3倍近い文理学科のある超進学重点校とそれに続く進学校以外は辛い局面となった。中には倍率が半分程度の学校がある。全ては私立高校の授業無償化による「私立専願増大」がもたらしたものである。

・ 詳細に数値を追ってみたい。倍率で見てみると1学区が1.07、2学区が1.11、3学区が1.06、4学区が1.18である。特に1学区と2学区の倍率が低い。本校の併願校の多い4学区は1,18倍だから数値で見れば嬉しい話であるがまだ最終的な数値ではない。

・ 今後の動きは来週中間に4回目の調査、そして来週末に最終数値が分かる。今朝の数値がまず変動するが、すなわち倍率の高いところは当然倍率が下がってくるがこれを見て又上がってくるのが定常のパターンである。「様子見」が続く。

・ 加えて受験生は「幾分強気の姿勢」が見て取れる。併願先の私学を押さえているから公立は一歩高めて受験しようとうものである。これは入試説明会でも私などは口に出して言ってきたことだがデータに現れている。

・ 私は今朝の段階ではまだ余り意味はないが、一応併願戻りを計算した。同時に入試広報室は徹底的に過去のデータを持ち出してシミュレーションをしてくれている。思った以上に「併願戻りが想定以上に大きくなりそう」で私は人事担当の副校長を呼んで早速「教員手配」に入るよう指示したのである。
・ ひょっとした卒業した3年生の600人を超える入学者が期待できそうなシミュレーション結果になっているのである。早速入試広報室に電話が入ったと報告があった。公立を受験するつもりで居たが、今朝の記事を見て私立高校に受かっているのでもう「公立の受験は止めた!」というもので「専願切り替え」である。
・ 実は昨年の本校の例でも結構多いのである。場合によっては一クラス程度になる。今朝の段階ですでに17名が専願切り替えである。とにかくこの1週間で様々な変化が出てくるだろう。しかし私は今朝の記事で今年の入学者数は大体読めた。読めなければ私学の経営者ではあるまい。今年の私の勝負は今朝の記事で終わりを告げたのである。

・ 本日は「専願合格者の制服採寸の日」であった。14時からだが続々と生徒と保護者は「希望に胸を膨らませて正門をくぐっておられた」。場所は数が500名と多いので初めて体育館を開放したのである。私はこれらを見ながら「責任感に身が引き締まる」のである。