・ しかしタイミングばかり気にしていると何時かは温めている内容にも黴が生えてきて結局使えないようにもなってくるから要注意である。やはりブログにも旬の話題と云うものがあってその時機を外さないように今後とも考慮していきたい。
・ 今日も実は他のテーマで書きたい物があったのだがある新聞記事に目が留まって結局違う内容のものを書く羽目になってしまった。私の感性がそのようにさせるのである。今日のテーマは「飲みニュケーション」である。
・ ご存知のように「コミニュケーション」をもじって、酒を飲みながらのコミニュケーションを言うのであるが今朝の読売新聞に「飲みニュケーションのススメ」という見出しとその内容に「これは書かねば」と心を奪われたのである。
・ その他の見出しは「クボタ本社内に居酒屋計画」「社長自ら発案 風通しよく」とあった。あの有名な農業機械大手のクボタである。実はクボタさんは農業機械だけではなくて鋳鋼ロールなども素晴らしい技術と製品を有しておられる名門大手企業である。
・ 私はその昔、鉄鋼用ロールの打ち合わせでこのクボタさんとはお付き合いがあり、製造工場のほうによく出張したことがある。立派な研究所長さんが居られ、たまたま住金の私の上司と大学同期と言うことでこの方に交誼を頂いたものだった。
・ 従って私は「親クボタ」である。クボタの本社も今私が住んでいるマンションの隣の新社屋で毎日その傍を通って通勤しているのであるが、この新本社の3階に「クボタ居酒屋」が誕生すると言うのである。
・ 要は社長さんが発案して「社員の間で議論が少ない」ことに気づいたというのだ。各部門間の交流も不十分と感じられたらしい。それで社長は「社員同士が顔見知りになり“おい”と声を掛け合える関係になる」(社長の言)ことを期待して会社が居酒屋を本社ビルの中に持つというのである。
・ 本社勤務の社員1500人に聞いたところ回答者の2/3が賛成したという。主担の業務部長さんは“隣のテーブル同士で意気投合し仕事での協力関係に発展すれば嬉しい”と記事にはあったが私は「本心かな?」と疑う。私が業務部長なら別の方法を選択する。
・ 運営は外食業者に委託するらしいが費用の半分は会社が補助し街中の居酒屋の値段に比べ半額程度にするらしい。営業時間は午後5時から8時までとし夏場はビアガーデンにもするそうだ。
・ さて厳しいことを言わせて頂こう。私は前述したように「親クボタ」だから大目に見てくださいね。さて天下のクボタがこのようなことでは残念である。「時代錯誤」も甚だしい。これは20年前のバブル前後に一時期大手企業で流行ったものでその蒸し返しに過ぎない。
・ 大体「時の為政者」はこういうことが大好きである。どちらかと言えば義理人情に厚く部下思いのトップがまず目に見える施策として打ち出すのがこの種の類である。そして大体トップはまず就任後言うことは「社内の風通しが悪い」と言うことである。間違いなく繰り返される同じパターンである。
・ アンケートで賛同者が2/3とあったがトップが決めたこのような施策に反対の声を上げる筈がないではないか。賛成に決まっている。半額で飲めれば反対するほうがおかしい。私はむしろ反対の1/3のほうに凱歌を上げたい。立派である。この人たちは分かっているのである。
・ 大体考えても見よ。サラリーマンが飲みたいのは「会社を離れて上司や同僚の批判悪口を言うため」であって、社内で飲みながら仕事上のコミニュケーションなどしたって酒は旨くはないだろう。それは仕事だ。
・ 同じ場所で周辺は見た顔ばかりの社員ばかりで飲んで面白いか。料理だって日替わりはあるだろうが基本的には同じメニューで一度食べたらしばらくは別の味付けを食べたいだろう。
・ 大体、天下のクボタが考えるべきことは「消費の拡大」であり、そうなら市中の居酒屋を商売繁盛させることではないのか。大企業が零細の居酒屋を「いじめて」なんになるというのだ。
・ この社長、本社にいるから本社の社員に目を向けているが大切なことは現場の社員である。こちらの方はどうするのか。全ての社員に開放するとしても誰がわざわざ離れた本社の居酒屋にまで行くと言うのか。
・ アフター5と言って「オープン時間」は5時から8時と言うが、圧倒的に多い社員はまだ仕事をしているのではないか。出来る社員ほど仕事をしているのであって5時過ぎから居酒屋に飲みに来る社員は「暇を持て余している駄目社員」ではないのか。
・ 又逆に言えば「仕事が終わったら、さっさと家に帰ってたまには家庭サービスを」と雇用者は言うべきなのに8時まで居酒屋をオープンにすると自宅に帰らないではないか。今日はたまたま仕事の整理も済んだので久しぶりに定時で帰れるかと思っても直行できなくなる雰囲気が社内に出てくるだろう。
・ 間違いなく「利用状況」は業務部長や社長に報告が行くだろう。「あいつはまだ一回も居酒屋に顔を出していませんよ」となれば「社長の覚え」も悪くなろうと言うものだ。どうしてクボタはこのような事に気づかないのであろうか。「大きなお世話だ」という声が聞こえるが・・・。
・ コミニュケーションが悪いのは上司と社員間の問題であり、社員同士は何時も仕事の関係でコミニュケーションを取っているのである。風通しが悪いのは視点のずれた上司の方にあるのであってこの解決策に「上から目線」で居酒屋を作っても効果は限定される。
・ 大体「飲みニュケーション」で仕事が捗るなど有り得ないというのが私の哲学である。仕事の成果があったときに上司が外部に誘い「仕事の慰労」をしてやるものである。それが組織体の公式なものである。
・ 気心の知れた者同士が会社を離れて飲むのはプライベートでありそこは「割り勘の世界」であり、それは会社が場所の提供や費用負担などすべきではない。社員間に不公平感が広がるのではないか。大体飲めない社員はどうするのか。
・ 上司は部下が常日頃行けないような場所に100%会社負担か上司負担で「飲食に連れて行く」ことが今日的な方法であると私は思う。大体居酒屋みたいな安っぽい場所を提供しても駄目だ。立派なところへ連れて行け。そこで上司は色々と話を聞きだすのである。これが「木村流の飲みニュケーション」なのである。
