・ 私は学校を休んだ場合、一日、二日なら新聞を保管しておいて貰う。それ以上長くなると教育に関する部分の「切り抜き」を事務室員にお願いしている。今のような教育を巡る状況が大きく変動する時代は情報整理が欠かせない。ネットとか様々な方法はあるがやはり新聞記事が信頼性から見て私には有難い。
・ 26日には各紙が報道していたが前日の25日に橋下知事は府の幹部職員に「別れの言葉」を口にされたと言う。更に以下のようにも述べたと記事にあった。「僕の後にはどのような知事が来るかも知れないが府民感覚を基にした目標を実現できる組織運営を期待する」と説いたという。・ 朝日新聞は殊更対立を煽るように知事と並んで大阪市の平松市長のコメントを掲げた記事を出していた。その中で市長は教育への政治関与を打ち出した知事率いる大阪維新の会の「教育基本条例」についてこっぴどく批判している。
・ しかし平松市長には何時もながらいささか落胆する。批判、批評の視点がずれている。優しいお人柄なのだろうが、教育の抱える本質の問題がお分かりになっておられるのか。3年もやってこれでは困る。知事も深層の部分では誤解などあるがこの人は天才的に問題点の本質を掴む。それを「パッ」と端的に表現する腕は大したものだ。
・ 市長は「子どもたちに寄り添う教師像という視点が抜けている」「上司の顔色を窺う職員が増える」といっているが、今までそうだったからこそ橋下知事は「条例での縛り」を考えているのである。別に教員いじめではない。子どもに寄り添う教師ばかりだったら、このようなことは誰も考えないだろう。
・ 学校といえども組織体なのだから「上司の顔色を窺う」ことはあって然るべきだ。言葉が悪いというなら言い換えれば良い。「上司が何を考え、何を教職員に求めているか」を窺うことが大切なのであって、少なくとも戦後最近まで日本の公教育の現場は必ずしもこのような状況下にはなかった。校長など無視の対象だったと言ったら言い過ぎか。
・ だから日本の教育は荒廃した部分が目立つのだ。勿論全ての教員ではない。圧倒的に多い教員は一生懸命頑張っている。ただ学校文化は一部勢力の声に押されて必ずしも校長の意向など反映されなかったし、第一に国旗国歌反対など政治イデオロギーを持ち込んだのもこれらの勢力である。
・ 民主党の輿石参議院議員会長は山梨県日教祖のトップから政治に転出した今や政界実力者の一人だが、彼が明確に述べている。「教育が政治とかけ離れていることは有り得ない」と。正直な本心だろう。
・ 「公務員の身分は金科玉条の如く安泰」などとは最早通じない。社会が許さない。このような条例を恐れる必要は無いのであって、「堂々と受けて立てば良い」ではないか。「当然やるべきことをしっかりやれば」、こんな条例など全く気にする必要は無い。知事も教育に政治が100%関与しようとは言っているのではない。彼は中国や北朝鮮のような独裁者ではない。
・ しかし私は橋下知事にも言いたいことはある。大阪市みたいな比較レベルで府よりも小さな行政体に何故移ろうとされるのか。何でそこまで拘るのか、私にはよく分からない。市長は知事より「格下」ですぞ。・ 今貴方が考えることは国政に出て行くことである。民主党代表戦の茶番劇を見たら、そう思いませんか。そのためには国政転出の時機を窺いながら今はまだ大阪府の知事で居ることだ。市長にジャブを放つのは良いがリングまで乗っ取る必要は無い。
・ 知事を辞めた宮崎県の東国原前知事もパワーを失った。三重県の北川知事もそうだった。貴方は「権威と権力」のないところでは駄目だ。橋下知事ほど権威と権限を駆使できる人も目面しい。世の中には案外というか殆どの人が「手中の権限を行使できない」のである。
・ 大阪市などもうどうでもよいではないか。それよりも貴方が居なくなったら大阪府は元に戻りますよ。それが「人間社会の宿命」です。全く元にとは言わないが必ず「反動」はあります。それを「のこぎりの刃型」と言います。行っては戻り又行っては戻るのです。
・ 「ようやく居なくなった。せいせいした。」とは口には出さないでしょうが役人というのはこの点巧妙です。次の知事にブリーフィヒングしながら微妙に軌道修正を図るでしょう。又肝心の新知事は「橋下さんを意識してことさら“違い”を出したい」と思うものです。
・ 8月27日の新聞に注目すべき記事がありました。今年の入試で定員割れした公立側は何かヒステリックに「私立生徒取りすぎ」と喚き、私立は「公立の努力足りない」と言い争いになったと見出しにありました。
・ この会議は府教委と私立連合との会合である「大阪教育会議」での議論だったらしいが、記事を読んでみて、私は何時かはこうなると想像していた通りの展開となっている。これに対して出席していた知事は「公立に火がついた」とあるがとんでもない話です。火だけつけて逃げ出しては平蔵率いる「火付け盗賊改め方」に責められますよ。
・ 火はつけても良いが落ち着けるところで消火が必要です。この消火作業は知事しか出来ない。府教委はマンモスの組織で例の通産省の組織内にある原子力保安院みたいなものでまだ公立学校に機軸を有しています。少なくとも私立を含めて教育行政を考えるという体系ではない。
・ 第一、公立が定員割れしたというが私立も半分は定員割れしている。今や大阪の高校教育は公立私立交じり合って市場競争の中に突き進んでいる。これは知事が狙ったとおりの展開で私立が望んできた制度ではない。公私7:3の比率撤廃は府が進めたものですよ。
・ 生徒を呼び込んでいるところは「涙ぐましい企業努力」をしているのであって「魔法」を使って呼んでいるのではない。生徒が多いと教育環境が悪くなると批判した教育委員がいるらしいがこんな委員は早速罷免せよ。頭だけで判断するだけで現場を分かっていない連中だ。
・ 高校急増期に受け入れたキャパからすればまだまだ余裕はあるし第一私立の教育成果を見たら良い。運動も文化活動も学力も私立は負けては居ない。同じ27日の新聞では今年6月に実施した「府内の小学校6年、中学校3年生の統一学力調査」の速報が発表されたが私立は全教科で公立を上回っている。
・ 私立は公立が土曜日曜と連休である中で土曜日は実質フルで学習活動を展開している。差別化で生徒も教員も努力しているのである。知事が就任して以来大きく大阪の教育は変わったが、「最も変わったのは私立」であって公立はどうなのと聞きたい。
・ 確かに府立高校の教員が塾など回って現場の実態を勉強しているなど、知り合いの塾の先生からお聞きしているが私立はここ20年こればかりの毎日であった。「私立の生徒集めの努力は涙ぐましいものがある」のである。
・ 府教委の中西教育長は私も存じ上げているが大変公平で公明正大な立派な行政マンである。間違いなく副知事に昇進されるであろうが、この教育長が言っておられる如く「公立も私立に学ぶところは学べは良い」のであって第一私立学校と公立学校の交流会など機能しているのか。
・ 私立の授業料の無償化が拡大されたといってもまだ同じ納税者でありながら私立に通う保護者の「教育費の跳ね返りは公立に比べ何分の一」という具合に低い。私立の経営において耐震強度のある校舎への建替えについては「自己資金を調達」しなければならない。税金が直接投入される公立学校と根本的に異なるところだ。
・ 私が心配するのは橋下さんが進めてきたこの路線が中途半端で終わり結果として「私学潰し」になってしまうということだ。これでは「大阪の教育力」は低下する。公立から私立に転じて5年、巨像のごとき公立学校に立ち向かっているとは言わないが、頑張っている私立に「私立も良くやっている」との評価と「しのびざるの心と惻隠の情」を行政のトップが持てるかどうかだろう。
・ 何か公立教育界に「私学悪者論」みたいなものが風土として今だ残っているならそれは完全な間違いだ。元の竹内という名前の教育長が私学の理事長と高級料亭で会食を繰り返していたというのは昔のことだ。
・ 橋下知事は大阪府の知事でもう一期はしなければならない。第一何方が知事の後をやられるのか。幾らそれは府民が選ぶと言ってもそれでは無責任だ。火だけつけて真っ先に現場を逃げるようなことは許されない。




